八品目 夕暮れのアート・オムレツ

ある日の夕暮れ 

甘く焼けた玉ねぎの香りが空を満たし

オリーブ油の中で踊るにんにく


その魔法が

穏やかな鶏の肌を包み込む時

風は止み

ささやかな香りが空間を包む


鶏肉を白いキャンバスに見立て

塩とコショウで心を込めて味付け

熱の中で

ゆっくりと色を変えてゆく


玉ねぎとピーマンが加わり

彼らは火の音を立てながら喜びを表現

彼らはソテーにされて輝きを増す


ホールトマトが流れ入り

穏やかな波が料理を包み込む


マッシュルームが静かに加わり

やさしく煮込まれる中で

彼らの新たな物語が柔らかく

確かに織りなされる


ライスではなく

ふわりと広がるオムレツの上に、

そのすべてを

そっと降り積もらせる


糖の誘惑を遠ざけ

心地よい夕餉の完成


ひとくちごとに

愛と配慮が口にひろがる



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作品の裏話

視窓のイベント開催中②

https://kakuyomu.jp/users/majo_neco_ren/news/16818093076360404749


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