六品目 香具沢山椒豆腐
白き箱を開くと 絹のような豆腐があった
キッチンペーパーに包まれて 静かに息づく
鉄の釜の中 油は小さな海を作り
鳥の挽肉と玉ねぎが軽やかに舞い踊る
生命を呼び覚ます火が灯る
しょうがの香り にんにくの息吹
二つの精霊が踊り出る
酒の雫 砂糖のきらめき
しょうゆを一滴垂らせば
豆腐と世界をつなぐ架け橋となる
水の流れが静かに混沌を導く
片栗粉が細やかな守りを提供する
全てを優しく包み込む膜を作り出す
ラー油の祈りが静けさの中で火花を散らす
新たな生命の息吹が呼び起こされる
仕上げにはニラの深緑と山椒のかすかな風が加わり
一皿が静かな鼓動を打つ宇宙となる
各々が交わり 新たな物語を紡ぎだす
味わう者に 幾千の風景を映し出す
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作品の裏話
↓
和の心とは? https://kakuyomu.jp/users/majo_neco_ren/news/16818093074307976566
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