二品目 たまご雑炊


咳の音が夜の静寂を切り裂き、頭はふらふら

外の世界は遠く、時間はゆっくりと流れる

窓の外、風が木々を揺らし、雨が降りしきる中

ここは静かな安息の場所


たまご雑炊の一口が、疲れた体に染み渡る

ほんのりとした味、優しい温もり

病んだ体を少しずつ癒してくれる

それはまるで、遠い記憶の中の母の手料理のよう


この小さな部屋で、病み上がるまでの間

孤独と静寂の中で、たまご雑炊が唯一の友だ

病気の孤独感を癒し、心を温めてくれる

優しい存在、そっと寄り添う味わい


たまご雑炊を前に、病床の静けさに包まれ

風邪の重みに押しつぶされて、世界はぼやけて見える

思いの外、たまご雑炊の記憶は、心に深く残る

病気と戦う中での小さな喜び

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る