第37話 疑問
「ねぇ…ずっと疑問に思ってたんだけど、どうしてお父さんはそこまでお兄ちゃんに厳しい態度を取るの?」
「はぁ…もう一度言ってあげよう。お父さんは、会社を経営している。ここまではわかるな?」
「勿論。お父さんやお母さんがどんなことをしているのかくらいは知ってるよ。」
「分かってるなら良い。お父さんが言いたいこと…わかってくれるよな?お父さんにとって、会社はもうひとりの自分と言っても変わりないんだ。会社に被害が及ばないようにするためにも、しっかりとした対応をしないといけないのだよ。」
「だからって…お兄ちゃんが可愛そうだよ。私が言うのもあれだけど、お父さんもお母さんもお兄ちゃんにもう少し優しく接してあげてよ。」
「あのなぁ…話をするだけ優しいと思うんだが?家族だからといって、痴漢をした人間と好んで話しをしたいと思うか?思わないだろう?お前からも言ってやってくれよ。」
「そうね…私も正直あの子とは一度距離をおいたほうが良いと思うの。」
「どうして?」
「お父さんが説明してくれたじゃない。あの子は痴漢っていう行為をしたのよ。もちろん私達だって、あの子の事は考えてるわよ。」
「だったら…だったらもっとちゃんと話聞いてあげたりするべきだったんじゃない?あんなふうに突き放すような事はしなくたってよかったはずでしょ?」
「分かってないわねぇ…確かに突き放すような行為に見えるかもしれない。でも、これにはちゃんと私達なりの考えがあってのことなのよ。」
「…どういう事?」
「あなた。説明してあげてくれない?私これからお仕事に行かなくちゃいけないのだけど…」
「わかった。私から説明しておくから、仕事に行ってきてくれて大丈夫だ。後のことは私に任せてくれ。」
「それじゃあお願いするわね?」
「あぁ。さて…話をしようか。私達があの子にどんなことを期待しているのかを。」
「期待してるんじゃないでしょ。お父さんが嘘をつくとき、いつも前髪をいじってる。今日だってそう。お父さんは私に何か嘘をついてるんでしょ。」
「お父さんが嘘をついてるといいたいのかい?」
「えぇそうよ。私は今までいろんな人を見てきた。だから、嘘をつこうとしてる人の癖だってある程度は分かるの。」
「そうか…それは良いことだ。人の事を観察することはとても重要だ。私もよくやっていることだ。だから言いたいこともわかる。」
「だったら私の話もちゃんと聞いて。」
「わかったわかった。それよりも話をさせてくれ。まずは大まかに分けて2つある。1つ目は単純に更生してほしいっていう思いがあるんだ。」
「まぁそれは私も考えつくけど…」
「だろう?まずは更生してからじゃないとな。」
「でもそんなに上手くいくとは思わないんだけど…」
「何故だ?あの子だって反省してくれるはずだ。」
「いやそうじゃなくて…お父さんの中にはお兄ちゃんが痴漢をしたっていう前提が出来上がっちゃってるんだけど、お兄ちゃんがもし痴漢をしていなかったら?」
「それはないな。だって痴漢をされたという本人と話をしてきたんだから。」
「最近は男性ばかりが痴漢をするってわけじゃないよ?他にも、痴漢をしたとして警察が逮捕をしたけど、冤罪だったっていう話しもあるんだよ?」
「そんな話しもあるのか…だとしても、あの女性に迷惑をかけてしまったことは事実だ。」
「だから、その人が嘘をついている可能性だってあるんだって。お父さんさっき私が言ったこと覚えてる?私はさっき、冤罪の可能性だってあるって言ったんだよ?」
「もちろん聞いているよ。でもね、その可能性は低いと思うんだ。わかるかい?」
「可能性が低いっていう話はわかるんだけど、やっぱりその可能性は吟味しないと駄目だと思うの。」
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