第29話 事実の追求
「さて…これで関係者が出揃ったわけですが、校長先生。それと学年主任の先生。何か申し開きはありますか?」
「…ない。」
「ありません。」
「そうですか。まぁ嘘をつくというのは何か隠したいことでも有るのでしょう。話を聞いていきますが、嘘だけはつかないでくださいね?」
俺はそう言い、すぐに話し合いを始めた。まず追及するのは教頭だ。
「それでは教頭先生にお伺いします。まずは今回の件について話をする前に、何か言わなければいけないことが有ると思うのですが。」
「…勝手に職員室で通常通りの作業をしていて申し訳ありませんでした。」
「はい。それでは何故通常通りの作業をしていたのか教えていただけませんか?そちらに居る教師の方が呼びに来てくれたんじゃないんですか?」
「それは…」
「どっちなんです?呼びに来てくれたのか。それともそんなことはなかったのか。もし、有れば貴方の過失ですが、無いようであれば…それはそちらの教員の過失になりますね。」
「…そこにいる教員が呼びに来てくれたのは事実だ。」
「そうですか。では、何度もお聞きしていますが何故無視して通常通りの作業をしていたのですか?通常通りの作業であれば、話し合いが終わった後にでも作業をすれば終わらせることが出来るはずです。それに特段成績をつける期間というわけでもないのでしょう?」
「それはそうだが…」
「でしょう?でしたら来ないというのはおかしいです。普通に考えて、呼ばれているのだからそれを無視するという反応はおかしいです。それと職員室で取られていたあの態度…辞めたほうが良いですよ?」
「申し訳ありませんでした。」
「はぁ…こんな余計なことに時間を使わせないでください。私は菊池翔太君の件で話を伺いに来たんですから。」
「…菊池翔太ですか。」
「えぇそのとおりです。教頭先生や、担当の教員であれば必ず知っているでしょう?だって校長先生ですら、知っているんですから。」
「もちろんその生徒のことは知っています。ですが彼はもうここには居ません。一体彼の何について聞きたいんですか?」
「聞きたいも何も、話し合いですよ。まずは菊池翔太くんに対して退学届を渡した経緯を教えていただけませんか?やっぱりそういった者の説明は大事だと思うんです。できれば詳しく教えてください。」
「えっと…退学届を渡した経緯ですよね。」
「はい。もちろんお答えいただけるとは思っていますが…」
「大丈夫です。ちゃんとそういった物に関する記録は取ってあるはずです。その記録を探してきますので、少しだけ席を開けさせてください。」
「…信用できませんね。私も着いていきます。」
「それは困ります‼保管している場所は、学校の運営にも関わる物が沢山置かれている場所です‼学校関係者以外には見せないという決まりになっているのです‼」
「では先程、話を聞いていたにも関わらず無視をして通常通りの作業をしている人間のどこを信用すればいいと?少なくとも、貴方だけでは信用に足りませんね。なので私も行くと言っているんです。」
「ですが…」
「あのですね、そろそろいい加減にしてくれませんか?貴方は信用出来ないんですよ。」
「5分以内には戻ってきますので‼お願いします‼」
「5分ですか。…3分なら良いですよ。場所は把握しているでしょうし、すぐに取りに行くことが出来るでしょう?」
「流石に無理です!!」
「無理ではないはずです。先程ある程度の時間を数えながら、ここまで戻ってきましたが普通に歩くだけでも、3分程度でこれました。なので走れば問題はないはずです。さぁどうぞ。」
俺はそう促し、残っている3人と話をすることにした。
「それじゃあ話の続きをしましょう。菊池翔太くんのクラス担任である貴方から話を聞こうと思います。校長先生と、学年主任の先生にも話を伺うと思いますのでそのときはお応えください。それでは話し合いを始めます。」
後は教頭先生がどれくらいの時間をかけて戻ってくるかだが…あれだけ言っておいたんだ。基本的にはすぐに戻ってくることだろう。
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