第24話 学校訪問(他視点)

翔太の父親と母親にあってから2日が経った。



俺が仕事終えて、弁護士事務所へ戻ってくると翔太は寝ていた。色々と疲れているだろうしあんまり刺激しないでおこう。



俺は、まず最初に学校に制裁を下すことにした…



今回のような案件の場合は、不当な退学に当たるので学校との交渉が可能だ…今回の場合は学校に交渉しに行かなければいけないのだが…今日は学校が通常授業中なのと、本日は対応不可との為、学校での交渉はできない。



そのため学校に交渉しに行く前に、全て整理することにした。



学校から不当な退学処分を命じられた場合には弁護士を間に立てて、学校に対して処分の不当性を主張することで、今後の対応を交渉することが考えられる。



学校は警察・探偵のような捜査・調査機関ではないため、学校が調査したと言ってもそれには限界がある…さらに教師は多くの生徒と対応する中で思い込みをし易い。



加えて、学校という閉鎖空間での、教師と生徒の立場の違いから、適切な調査ができない可能性も高い。



この時、本人や保護者が交渉しても感情論になって交渉が決裂することも少なくない。これは先輩から教えてもらったことだが…



そこで、弁護士をたて、生徒や保護者に代わって、校長や教師に事実を伝え交渉を進めることで、事実を明らかにし、処分の不当性を認識させて撤回させられる可能性がある…ただ今

回の場合は本人が復学することを望んでいない。



しかし、和解金を支払ってしまっているため、罪を認めていると考えられてもしょうがない。だが、本人が違うと否定しているから俺のような弁護士は戦うのだ。



そして慰謝料の請求だ…今回の場合は精神的苦痛という理由で問題ないだろう。



不当な退学処分を受けた場合、生徒が精神的苦痛を受けたとし、その精神的苦痛を損害とし

て、学校側に損害賠償請求(慰謝料請求)することができる。さらに慰謝料請求は、復学し

たかどうかに関わらず請求することが可能だ。



また、上記の学生としての地位の確認を求める仮処分を行う際、裁判所を介して、審理の途

中で学校側と和解することがある。



和解すれば、正式裁判の結果を待たず、生徒は復学するなど問題が解決しますが、和解の中

で出席率や成績に不利益が出ないような合意がされたり、学校側の対応に問題があった場合は慰謝料の支払いも合意内容に含まれることもある。



だが、あんな対応をする学校だ…慰謝料の請求に応じない可能性も大きい。どうするべきか…



あんな学校にどうしていこうと思ったのかめちゃくちゃ疑問に思ったが、入ったときにはい

い感じだったんだろうな。



学校や教師と生徒の力関係から、退学処分に当たる事実がないのに思い込みで退学処分が命じられるケースもある。その場合、生徒は、ショックと自暴自棄になり、諦めて退職処分を受け入れてしまいがちだ。



そして、不当な退学処分を命じられた場合に、弁護士に相談して、過去の裁判例や法令をもとに、退学処分の違法性を判断し、取るべきベストの対策のアドバイスをしてもらうことも大切だ。ちなみに俺の先輩も何回か相談されて退学を撤回させることに成功している。



学校の中で、校長や教師に退学処分を命じられ、孤独になるのが一番つらい。そして今回のような事例になれば、将来も不安になってしまうだろう。報道され、ネットでもさらされているかもしれない…俺だったらそんな状況になったら相当つらいし、悲しい。



これでようやく自分の中でまとめることが出来た。これから話をつけに行くとしよう。



問題はあの学校の先生達だな…あんな事を言っている人達は初めて見た。それにあの高校はどこかおかしい気がする。



一応自衛できるものを持っていったほうが良さそうだな。



そして翌日…俺は翔太が通う学校に居た。



前に校門の前で止めた時とは違い、しっかりとした服装に身を包み学校の中へと入っていった。



やはりスーツ姿の人間は注目されるのだろう…中に入るといろいろな視線を向けられた。



職員からは『だれだ?』というような懐疑的な視線を。そして高校生からは興味にあふれる視線を感じた。



俺はそういった人たちの事を一瞥してから、受付に向かった。受付ではせわしなく業務をこなしているようだ。



「すみません。校長先生と教頭先生に少しお話を伺いたくてきました。」



「はぁ。校長先生と、教頭先生にですか?」



「えぇそうです。あっ私はこういう者と申します。」



俺はそう言いながら名刺を渡した。弁護士という字に驚いたのか、表情はみるみる内に変化して対応する態度も変わった。



先程までは面倒くさそうな態度だったが、俺の職業が弁護士ということに気づいた彼らからはそういった態度は消え去った。



「この学校には何のようでいらっしゃったのでしょうか?」



「ふ〜む…それを一般の職員である貴方に言う必要があるのでしょうか?私が話をしたいのは、校長先生と教頭先生です。部外者には口を挟まないでいただきたい。」



「…すみません。規則上、確認しなければいけないもので…」








参考文献

弁護士法人S&Nパートナーズ法律会計事務所

https://granlaw.jp/


今後も参考にしたのは載せていきます

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