第8話 15歳の誕生日

15歳の誕生日は、ホームパーティーをした。



「魔王様、いつも誕生日を覚えていてくれて、ありがとうございます。」


「俺がお前の誕生日を忘れるわけないだろう。」


来年になったら俺の命日になりかねないのだから。




ラパスは友人らから誕生日プレゼントをもらっていた。

結局、ハーレムをやめた途端に彼女もできていた。


見る限り、順調だ。

今のラパスが、ここにいる全員を皆殺しにするなんて考えられない。

そのまま、楽しく生きてくれ。





誕生会が終わり、魔王とラパスは一緒に片付けをしていた。


「魔王様…。」


「なんだ?」


「魔王様の名前はなんというのですか?」




普通なら何気ない質問に聞こえるが、魔王にとってはこの世の終わりのような質問だ。


名前は、その存在の象徴。

知られてしまえば、弱点を暴かれて支配される。


だから、魔王の名は亡き者となった両親と自分しか知らない。




「教えられない決まりなんだ。なぜ、気になった?」


まさか、勇者の記憶が戻りつつあり、名前を聞き出して俺を葬り去ろうとしているのだろうか?



「あ、いえ、いいんです。名前を…呼んでみたかっただけです…。今日は誕生会を開いてくださって、ありがとうございました。」


そう言ってラパスは部屋に引っ込んでしまった。

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