魔石使いの過ち

たつの落とし子

プロローグ


僕は魔法が使えない。けれども誰よりも魔法に憧れている。


魔法を使ってみんなの役に立ちたいとか、自分の夢を叶えたいとか、そんなことは考えていない。


ただ手の届かない所にある『魔法』は酷く輝いて見えて、魔法と聞くだけで何か焦燥に駆られるような、手にしなければならないという義務感に苛まれる。


魔法を使いたいと願いながら難しい魔導書も読んだ。


魔石を使って魔法の真似事も沢山した。


それでもなお掴めないその輝きは、残酷に僕を昏く照らし続けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る