神様特典(チート)で最強支援者ライフ ~異世界に追放された青年は、超安定の冒険者生活を送りたい~
木嶋隆太
第1話
『これより、あなたには異世界へ転移していただきます』
『現在の肉体を異世界へと転移――完了』
『現在の魂を異世界に移動した肉体へ転移――完了』
『これよりあなたには剣、魔法、魔物のあるファンタジーの世界にて活動してもらいます』
『異世界ではあなたの自由に活動してもらって可能です』
『異世界にはステータスがあります。あなたの肉体はステータスを獲得しまそた』
『前世の生活に合わせ、獲得ボーナスポイントが変化します。――75』
『ボーナスポイントを自由に割り振ってください』
『レン レベル1 筋力:10 体力:10 速度:10 魔法力:10 器用:10 精神:10 運:10 ボーナスポイント:5(合計75)』
『完了したようですね。最後に、特殊スキルを四つ選択してください。こちらで選択したものはスキルボードより獲得可能となります。こちらのスキルの中には、異世界の住人が生涯獲得不能のスキルや極めて珍しいスキルもありますのでよく考えてお選びください』
『え? どれが珍しいスキルか教えてほしい? 嫌ですよ。それは業務外ですので』
『【ボーナスポイント再割り振り】、【鑑定眼】、【アイテムボックス】、【ボーナスポイント獲得量アップ】……こちらで間違いありませんか?』
『それでは、これにてサポートは終了となります。最低限の情報に関しては送りますがここからは自由に活動してください』
『あなたのような転移者は、この世界に多くいます。ですが、その多くは――』
『――どうやら時間のようです。異世界での生活に幸あらんことを……』
俺は死んだようだ。
最期のことはよく覚えていない。
ただ死の直前だろうか? あるいは死んでからだろうか?
神様とかいうやつに転生することを告げられ、この世界に関しての情報を伝えられた気がする。
まあ……なんでもいい。
今は無事な体があるだけましか。
前世の俺は……少し記憶があいまいだが、何かの病気で寝たきりだったからな……。
今の俺は……かなり元気な体だ。
ただ、元の自分の体とそう違和感はない。たぶん、同じ体だと思う
視界も良好。ひとまず、周囲を見回してみる。
……森だ。
転生、といってもどうやら俺は赤ん坊になったというわけではないようだ。
どちらかというと転移、というほうが近いのだろうか?
どうしてここにいるのか、そう考えても何も情報はなかったが、現在の自分の能力を知る手段は脳内に思いついた。
メニューから、ステータスを見ろ、と。
まるで何者かに誘導されているようだ。さっきの神様が何かやっているのかもしれない。
特に逆らう理由もないので、俺は言われた通りメニュー画面を確認した。
念じると眼前にウィンドウが表示される。そこにはいくつかの項目があったが、まずはステータスを見たい。
レン レベル1 筋力:10 体力:10 速度:10 魔法力:10 器用:10 精神:10 運:10
ボーナスポイント:5(合計75)
決して、高くはない……と思う。
このボーナスポイントは各ステータスに割り振ることができる……だったよな。
割り振る前に、他に確認したいことがある。
スキルボードだ。
そちらを見てみると、何やら木の幹のように伸びたスキルたちがあった。
一つ獲得すると、その次のスキルが解放される、といったようだ。
最初から獲得できるスキルもあり、この辺りは取捨選択をしていく必要がありそうだ。
……ここで好きなスキルを手に入れて、自由に生きろ、ってことか。
スキルボードにも……ボーナスポイントを使用するようだ。つまり、ステータスを伸ばすか、スキルを習得するかを選べるようだ。
……理解が早いのは、脳内にその知識が入っているからだ。
俺を異世界に転移させたくれた神様の優しさなのかもしれない。
前世のことはよく思い出せないが……俺は重病であまり外で体を動かす機会はなかった。
今の体は自由に動く。
それだけで、十分だった。
とりあえず、スキルボードから選択したいのだが、まず四つのスキルが気になった。
神によって与えられた特殊スキルたちである、【ボーナスポイント再割り振り】、【鑑定眼】、【アイテムボックス】、【ボーナスポイント獲得量アップ】だ。
なんとなくだが、選んだときの状況を思い出せる。謎の声に導かれるままに、大量にあったスキル群から選んだのだ。
もっとも気になったのはこの【ボーナスポイント再割り振り】だ。スキルの効果はそのまま、ボーナスポイントを再度振りなおすことができるようだ。
これを1で獲得する。すると、これまでスキルを獲得するためにあった+ボタンだけではなく、-ボタンも出てきた。
これで、【ボーナスポイント再割り振り】を0にすることもできるようだ。これで、今後ボーナスポイントの割り振りで迷ったときも、お試しができるようになった。
とりあえず、特殊スキルを獲得していきたいのだが……そこで迷ったのは、【ボーナスポイント獲得量アップ】だ。
こちらは、スキルボードで伸びていくスキルだ。
どちらも、SからGランクまである。
ランクを一つ上げるのに、ボーナスポイントが1必要なようだ。ランクに必要なポイントが増えないのはまだマシか。
【ボーナスポイント再割り振り】は、ユニークスキルと呼ばれるもののようで、1ポイントしか割り振れないようだ。
こういう例外も、あるんだろう。
……なにはともあれ。
真っ先に獲得すべきは、【ボーナスポイント獲得量アップ】だ。
ボーナスポイントはレベルアップ時に獲得できるようだ。
与えられた知識によると、レベルは高くなるにつれ上がりにくくなっていくようなので、ある程度獲得できるポイント量に限界があるはずだ。
ここら辺は、レベル制の一般的なゲームと同じような感じだろう。
これを低レベルから獲得しておくことで、周りよりも多くスキルを獲得できるはずだ。
ふっふっふっ。
最優先で【ボーナスポイント獲得量アップ】を手に入れるべきだろう。
……神から与えられた特殊スキルを選ぶとき、何十ページもあったんだよな。何千というスキルがあり、選んでいる途中で疲れてしまったが、それでも必死に探していた記憶がうっすらと浮かんだ。
あのスキルをすべて見る人は少ないよな……。
ただ、【ボーナスポイント獲得量アップ】を取得するのはいいが、ポイントが足りない。
そういえば、ボーナスポイントはステータスにも割り振っていた。
朧げな記憶を探り、ステータス画面を見てみると……-ボタンが増えていた。
最初はよくわからなくてバランスよく割り振った……だったな、
よし、必要そうなステータス以外は下げてしまおう。
そうして、改めてステータス、スキルを振りなおしていく。まずは一度【ボーナスポイント再割り振り】以外の数値を0にする。
それで捻出できたポイントは74。
魔物の強さは分からないが、魔法力と速度だけあればいいだろう。それは10まで割り振り、残りは0に。
……ただ、露骨に気だるさを感じる。仕方ないので、筋力と体力にも10割り振った。
慣れてくればいいかもしれないが、今はここまであげておこう。
残りは42ポイント。ここからスキル獲得していく。まずは【ボーナスポイント獲得量アップ】だ。
これをG、F、E、D、C、B、A、S……と獲得していく。
スキルをSランクまで強化しようとなると、合計8ポイント。結構使うな。
残りは34ポイント。
とりあえず、攻撃系のスキルが欲しい。俺が最初に魔法力を強化したのは、特に武器を持っていないからだ。
魔法なら、このステータスだけでどうにかできるはず。一応格闘家のようなスキルもあるが、どっちにしろ嫌だ。
前に出て戦うとか怖いし、大変そうだし。
とりあえず魔法系のスキルを探すことに。
……ここは森だ。火魔法はやめたほうがよさそうだ。
様々な属性魔法があったが、風魔法に決定する。獲得したのは、スキルボードの最初にある【ウィンドショット】だ。これをSランクまで強化する。残りは18ポイント。
同時に、いくつかの魔法を補助するためのスキルが解放された。解放条件は、魔法系スキルを一つ獲得すること、のようだ。【魔力アップ】、【詠唱時間短縮】など、様々なものがある。
たぶん、【ウィンドショット】のポイントを割り振ったらこれらもなくなるのだろう。ちょっと疑問に思ったのは、前提条件のスキルに割り振ったポイントを0にした場合だ。
試しに【魔力アップ】を獲得してから、【ウィンドショット】を0にしてみると……【魔力アップ】もなくなった。
ポイントはしっかりすべて戻ってきているな。
まあ、別に何かあるわけではないだろう。一斉にポイントを回収する場合に便利なくらいか。
再び【ウィンドショット】を獲得し、【魔力アップ】を獲得していく。魔力は、魔法を使用するために必要なエネルギーのようだ。これがないと、魔法の使用回数が減る。これで残りは10。
【詠唱時間短縮】に割り振り、残りは2。
あとは余っているポイントでスキルを一つずつ獲得する。【魔力自然回復量アップ】と【魔法威力アップ】だ。
……さて、これでどの程度戦えるんだろうな。
とりあえず、森を自由に歩いても問題ないだろうと思い、歩き出した。
レン レベル1 筋力:10 体力:10 速度:10 魔法力:10 器用:0 精神:0 運:0
ボーナスポイント:0(合計75)
Sランク:【ボーナスポイント獲得量アップ】、【ウィンドショット】、【魔力アップ】、【詠唱時間短縮】
Aランク:
Bランク:
Cランク:
Dランク:
Eランク:
Fランク:
Gランク:【魔力自然回復量アップ】、【魔法威力アップ】
ユニークスキル:【ボーナスポイント再割り振り】
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