We have no intention of giving up the freedom of the mind and will.

全体を俯瞰的に確認すると、この方の音楽は非常に凝った作りが多い。また引き出しも多様であり、他の分野についても一度は解析しようと試みているし「学者」ならまず表化しない失敗も含めて、各種情報を消化しようとした形跡は比較的表化されていると考えられる。


この日記のようなアルバムを初めて聞いた時、浮かんだのは学生達の叫びだった。祈りと不屈。若い子たちは明るい未来を、自らのその先に負けないと全力で表現している。


その中でも、このアルバムに最も相応しい場所だと私が感じた場所で想起させられたのは「不屈」。ようは人々が生きている姿だった。


この方は政治的な意見もかなりはっきりと主張される。政治家という「弁論」を使う職業が最も色濃く現れるのは「演説」だろう。弁論術を駆使した演説にはキケロが記載したように一定のリズムがある。


「余白」の多い綺麗な数字が表題の紙製の白いアルバム。「業績」とギミックが詰まったシックな数字が表題の紙とプラスチックからなる黒いアルバム。


このコンピレーションアルバムにあるオリジナル曲は非常に凝った作りで歴史上「大粛正」を行った方の演説がリズムを作りラップのように流れている。アジテーションが刻むリズム、それは


「誘発される怒り」


この方は最初期から社会に対して退廃的である。強いて言えば太宰治の音楽版な世界である。いろいろとだらしがない。一方で紡ぎ出す音は美しく潔癖症を連想させる。


あまりに綺麗で柔らかい音が溶け込んでいる日常的を描いた「余白」と壮大なスケールを「怒り」と技巧で埋めた音楽。


どちらも同じ方が作り出す「祈り」。


理不尽なことに納得できないと叫んでいる。我が身に降り注ぐ不幸も、次の世代が奪われてしまうであろう平和を。


政治活動の是非は問わない。だが青年たちが歌うように今持ってして全力で叫んでいる感覚が封じられている。


この方の気持ちは「生きたい」。


そして、何故「わからない」のかと綴られている。

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