The Nature of the Physical World ~音についての書評~
By “like” don't mean “like in every respect,” but like in respect to one of the composite relations.
By “like” don't mean “like in every respect,” but like in respect to one of the composite relations.
現時点のこの方の気持ちは「灰色」であると示されている。この方が世に出るきっかけとなった3人グループのうちお一人が他の世界に旅立たれた。
この方も含めた3人は「黄色い魔法使い」として、当時では画期的な音楽を作り出して世間を席巻したと記録されている。従ってもう「夢のような魔法」が作り出せないと明確に示されている状態ではある。
このスケッチのようなアルバムから感じとれる「余白」と「彼」の示す色から「死」を意識している状態であるという推察は当然にしてある。
私もそれに対しては異存はない。「彼」は「死」を見つめているし、その終焉はそこまで先ではないだろう。だが、それに至るまでの過程は「肯定」でもなければ「否定」でもおそらくない。
生きていたい、その最期まで誰もが持つ「生きたい」とする気持ち含めて「普通」を失わないし、失わせたくない。
このアルバムを聴き続ける中で一番しっくりきたのは街中だった。太陽の下、運動場でサッカーをしている少年たち。笑いながら道路でボール遊び中の子供。遠くに見えるビルの階段に縦方向に連なり見えるサラリーマンたち。街ゆく人の雑音が「余白」に溶け込んだ。
墓石色な「死」を見つめている状態で軽やかに描かれたスケッチが描き出したもの、それは「日常」。
そして、想起させられた祈り。この世界が明るいことを、誰もが自然な形で死んでいくことの幸せが描かれている。
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