【短編】最後のかくれんぼ

結城 刹那

プロローグ

 新幹線から見える移り行く景色を横目に、俺は持っていた1枚の手紙に目を凝らした。


『みんなへ


 成人おめでとう。記念に最後のかくれんぼをしよう。

 2月22日の約20時。どこかにいる僕を見つけて。答えは今までの思い出の中にある。

 どうか僕を見つけて欲しい。でないと、火花が散ることになる。

 健闘を祈る。


 神司より』


 手紙にはそう書かれていた。

 スマホで時刻を確認すると『2月11日11時2分』と表示されていた。

 東京駅に着くのは12時21分のため、到着まであと1時間程度ある。

 

 一息つき、背もたれに重心をかける。

 瞼を閉じると、神司と過ごした小学時代の思い出に浸ることにした。

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