第9話  失踪 2.

8時半ぐらいになると事務以外のメンバーが集まってきてちょっとした騒ぎになっている。

「だからいったんや、、設計電気を常駐させろと、、羽根田さん来るまえからやん」

「せやな、、西日本サービスもなかなか力ないしなあ、、あの支店長もまあもうじき定年やし」

「羽根田さんが立ち寄りそうな場所は??」

「しらんし、、まあ趣味がアマ無線ということぐらいか、、この中で無線やっているのおる?」


う~ん、、高校の時やっていたけど局免切らしているし、、

あオレもや、、なつかしいなぁ、、


さよか、、ほんまつかえんな。。


「まあとにかく、、見かけたとかいう情報あれば支店の方と協力して、、なんだけど、ほっといてあげるのもええかもしれんわ、、」


みな異口同音に「せやなぁ~、、」と、、


課長に頼りすぎたんや、というかなんでこうなるまえになんとかならんかったん?


古い話やけど、、あの一件に羽根田はん関わっているって聞いたことあるんやけど。


あの一件って、、上田のクーデター未遂事件??ありえんやろぉ~


間鍋さんなんすかそれ?


まあオレも詳しくはないんやけどな、


入った頃、、つまり大学出て技術サービス入った頃やから2002年ぐらいか。上田に当時いた平松という役員が上田技術設計を厚木の管理から上田独自にしようとしたんだ。それがまあ、、その上がお気に召さず、、カウンターあてられて役員からただの課長に降格やったかな?たしか・・資料室長?


で、本社に出頭せず退職。で、関西のとある会社に行って担当役員になってそのあとどうなった?覚えてないわ、、


ということなんやけども。。その時期って羽根田さんアメリカにいるのよね。


そのアメリカにいる羽根田さんがなんでまた?


しらんがな、、かかわったメンバーと仲がよかったそうで、ただそんだけらしい。


「静観するしかないんやな、、」


はあ、、、


ところで、、日当とか日報どう処理すればええの?


そりゃあ、、、あ、、ああ~まあ、、大丈夫だし・・処理は大久保のむくちゃんがやってくれるし、、いまほとんどその処理はむくちゃんだよ。


ならええねんけど、、


神戸支店


8時40分頃出社するとなんかおかしい、、


支店長があわくって世田谷本社に連絡したり、サービス課長が大阪の西日本サービスに連絡とかなんやろ?


「むくちゃんむくちゃん!」

「おはよ中村ちゃん、どったの?」


あのね、、羽根田課長が失踪したんよ


はい?、、「はあ???」


「驚いた?あたしも驚いたわ!」


「おはようございます支店長、、、どういうことなんですか?」


困惑している模様だけどさ


「わからん、、たしかに羽根田課長には総務以外の業務を、、」


つかえんなこのおっさん、、

「あ、羽根田課長の奥さんには連絡されたんですか?」

「まだだ、、」


つかえねぇわこの蛸は、、

「わかりました、、わたしが連絡します、、、」


恵さんの番号はこの間、、こんなことで恵さんに会いたくないよ。。

猫が好きで年齢聞いたら驚いたよ、、まだ30代かとおもったし。


でるかなぁ~仕事中だよね、、


ありゃ、、でたし・・


あ、もしもしわたし牧田精機神戸支店の椋毛と申します、、あ恵さん!おひさしぶりですおはようございます、、いまよろしいでしょうか?あのですね、、恵さんいまからお伝えすることですが、、羽根田課長が失踪しました、、あ恵さんだいじょうですかっ!


いま倒れたような音したよね?


"だいじょうぶよ、、つづけ、、、て、、しんじくんが、、どうしたの?"


大丈夫やないで、、「あのですね、もうあかん 探さないでください 羽根田伸二」 と書き置きをのこして消えたんです! 恵さん?だいじょうぶですか!」


”こちいちゃんに続いてしんじくんまで、、なの? どうすればいいのよ、、むくちゃん、あとでかけなおしていい?”


「わかりました、、ではのちほど。。」


いやこれあかんやつや、、こちいちゃんって愛猫だよ、、たしか20歳超えの老猫だよね、、


大丈夫やろか、、




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