第58話 再開、そしてさよなら

ミンはミンの頬を叩く。


「タムちゃん……?」


ムやんが零下で凍りついていた。ミンはタムちゃんにそっと触れる。


「凍ってる…タムちゃん…あぁ…こんなことになってしまって…」

ムやんは石のように固くなっている。


「タムちゃん…ミンがいま…助けるからね」


ミンは渾身の力でムやんを抱きかかえ、時代の出口へ向かう。


「ミンがタムちゃんを助けるよ…あったかくしてあげる」


ミンは半分固まってしまった全身を必死に動かす。


「裕福なお家のタムちゃん。純粋なタムちゃん。寛大なタムちゃん。大好きなタムちゃん。」


ミンはありったけのすべての力を込める。





「あいしてる。また必ず探しに行くから。」




ムやんは時代の流れからから開放されていく。

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