第21話 優しさと厳しさ

家の中にはブラック・ナカが拘束されていた。

ミンは叫ぶ

「ナカちゃん!召されてない!」

「誰が召されるじゃコラァ」

「ブラック・ナカは数時間前に船に添えられてここまで来たんです。」

アイが説明する。

「その時、かんちゃんが探していた楽譜を手にしていたので。とっさに贈り物を…手に…」

「何が贈り物じゃコラァ手錠じゃねぇか」

ミンは恐る恐るブラック・ナカに近づく。

「ナカちゃん…正真正銘ナカちゃんなんだね…」

そしてミンはずっと気になっていたことを3人に尋ねる。

「…その楽譜をなんでみんな欲しがるの?ミンはこれはタムちゃんが持っていて、魔法の楽譜って言ってた。ムジュンシテナイ。」

ブラック・ナカは驚いたような顔をする。そしてこう答える。

「その楽譜はね。なんでも願いが1つだけ叶えられる魔法の楽譜なんだよ。オマエ、知らなかったのかよ。」

「う、うん…魔法っていうのはなんとなく知ってたけど…」

ため息をつくナカ。

「歌うのもよし弾くのもよし。堅実な願い事もそうじゃない願い事もね。一般庶民だったアタシは大昔、ライオンに襲われた時にタムちゃんが助けてくれたの。その時アタシ、タムちゃんに一目惚れしたんだ。だからタムちゃんと結婚したい…」

「だめだよ」

途中でミンが遮る。

「自分の幸せは自分で掴むんだよ。魔法なんかに頼ってちゃこの先生きていけないよ。」

「急に厳しいじゃん」

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