のっぺらぼう

紫閻-sien-

(さっきから 何かがついてくる 気のせいか?)

仕事終わりの帰り道 家まであと少しというところで

後ろに何者かの気配を感じる男


振り返ると長い黒髪 白いドレスの女が 少し離れたところにいた

徐々に近づく女 突然の事で動けない男


その距離がかなり近くなり女の顔が見えた

だがその顔は卵のようにツルッと真っ白で

目も鼻も口も無かった いわゆる のっぺらぼうというやつだ


「わーーー」 体がやっと動いたので ダッシュで帰路を急ぐ


「ハァハァ」 家に着き慌ててドアを開ける


「おい 助けてくれ」 家に入り一目散に寝室に向かい電気をつける


「もう 何よ貴方 寝てたんだから 電気つけないでよ」

ベッドで掛布団を頭から被ったまま 男の妻は言う


「出た 出た 出た」寝室の入口て男が叫ぶ


「だから何よ」 なおも布団から出てこない妻


「女の顔が 顔が無かったんだよ 目も鼻も口も 」


男がそこまで言ったところで 男の妻はこう言った


「それって こんな感じ? 貴方」

そう言いながら ゆっくりと布団から出てきた妻の顔も

目も鼻も口も無かった


「ギャーーーーー」 男はそのまま気を失った

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のっぺらぼう 紫閻-sien- @sien702

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