最近できた同い年の義姉がグイグイくる。家族だから恥ずかしくないっていうけど、さすがにお風呂はどうかと思うよ?
月ノみんと@世界樹1巻発売中
第1話 なんてことないプロローグ
僕の名前は
「はぁ……毎日つまらん」
スマホの画面に目を落としながら、そんなことをつぶやく。
4月から高校生活が始まったけれど、僕にはなんの変哲もない日常が続いている。
友達もろくにできずに、もちろん浮いた話もない。
そんな僕が学校に通い続けられる唯一の理由。
(
クラスメイトの霜月
とっても可愛い彼女の姿を、遠くから見ているだけで僕は満足だった。
目の保養。ありがたやありがたや。
別に僕は、絶世美人の彼女とお近づきになりたいなんて思わない。
僕なんかがどうこうできる相手じゃないってのもわかりきっているし。
それに、僕なんかが触れたりしたら消えてしまいそうな……彼女はそんな天使みたいな存在だった。
だがまさか、この時は誰も思うまい。
そんな霜月さんが、僕の義姉として家にやってくるなんて――。
◆
「父さん、再婚するけど。いいか?」
仕事から帰った父が、おもむろにそんなことを言い出した。
そういえば、父さん前にお見合いとかいってたな。
「別に、ご勝手に。僕には関係ないよ」
スマホでゲームをしながら、適当に答える。
「向こうの家族な、お前と同い年の娘さんがいるんだが、一緒に住んで大丈夫か? お前にとっては、姉ができることになるが……その、お互い年頃だし」
「別に。大丈夫でしょ。うまくやれるよ」
「そうか、なら安心した」
まあ、僕みたいな陰キャ、別に急に姉ができてもなんにもならない。
間違っても恋愛関係になんて発展しないし、仲良くなるようなこともないだろう。
適当に親の前でだけイイ感じに装っておいて、あとは普通にしていればいいだけだ。
まあ、知らない人と住むのは少しは緊張するけど……。
でも、僕はバイトと学校の往復で、ほとんど家にいない。
それに、家にいる時間もずっと部屋でゲームしてるだけだ。
今更、姉のひとりや二人できたところで、僕の平穏な日常は変化しないだろう。
それに向こうも、年頃の女の子だ。
同い年の男が家にいたからって、関わってくることはないだろう。
むしろむこうも、僕なんかとは関わりたがらないだろう。
だから、再婚しても特に生活に変わりはない。
だからOKした。
僕は最初、そんなふうにひどく楽観的に考えていた。
だけど、それが間違いだったと後で気づくことになる。
まさか再婚相手の娘さんが、あの霜月彩音だったなんて――。
そしてまさか、僕の義姉があんなに僕を溺愛してくるだなんて――。
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【あとがき】
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