第7話

 都市の喧騒から離れた公園の一角で、星野美咲は孤独にベンチに座っていた。彼女の瞳は遠くの空に向けられており、心の中は複雑な感情で満ちていた。公園の木々は穏やかな春の風にそよぎ、鳥たちの囀りが静かな午後を彩っていた。


 美咲の心は、拓海との記憶と未来への不安で揺れ動いていた。


 そんな彼女の前に、遠山拓海が静かに姿を現した。彼の一歩一歩には緊張が感じられたが、同時に決意の光が彼の目に宿っていた。彼は美咲の隣に座り、深呼吸をした後、言葉を紡ぎ始めた。


「美咲さん、僕、本当の気持ちを話さなきゃいけないと思って・・・・・・」拓海の声はわずかに震えていたが、その中には真実の情熱が込められていた。


 美咲はゆっくりと彼の方を向き、彼の言葉を静かに待った。彼女の目には、深い感情が宿っていた。


「美咲さん、あなたのことが本当に好きです。報道や他の人のことは関係ない、それが僕の本当の気持ちです!」拓海の言葉は、彼の心の奥底から湧き上がってきたものだった。彼の目には、不安と愛情が混ざり合っていた。


 美咲の目には涙が溢れ、感動と共に彼を見つめた。「拓海さん・・・・・・私も、あなたのことが大好きです――」彼女の声は震えていたが、その中には確かな愛が感じられた。


 二人の間に、言葉にはできないほどの感情が、彼らの心を満たす。


 二人は手を取り合った。何も言わずに額を寄せ合う。ただ近くでお互いの存在を感じていた。離れていた時を取り戻すように。


 周りは暖かい夕日に照らされ、二人の未来への希望が彼らを包み込んでいた。拓海と美咲の心には、新たな始まりへの確かな一歩が刻まれていた。

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