出版社の子どもたちを救え!

読天文之

第1話スカウト

「ただいま〜…」

元気があまり無い印象で帰ってきた天城裕貴あまぎゆうきは、靴を揃えず家に入っていった。

「ちょっと、どこ行っていたの?」

母親の叱るみたいな呼びかけを無視し、自室へ入る天城。そしてコンビニで買ったコーヒーを開けて一気飲みした。

彼の部屋には最近一度も開けていないノートパソコン。天城はミステリー作家を志しているが、アイデアが浮かばずにいた。この状況が始まってもうすぐ三年、母は作家を辞めて就職しろと耳にタコができるほど言ってくる。

書きたくても書けない……。








翌日、自室で寝ていたら母に叩き起こされた。

「早く起きなさい!伯父さんが来ているのよ!」

天城は起きてリビングへ向かった、そこにはスーツを着た伯父さんがいた。

母の弟である伯父は、大川出版社の部長をしている。そして伯父さんは天城に言った。

「早速だけど、大川出版社で働いてみないか?」

天城は不意な発言に目をパチパチさせた。

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