第9話 高校野球~あの日の父~
息子の初の高校野球春季大会が終わった。
子供の頃、今は亡き父に連れられ高校野球の夏の大会を観戦しに行った事が頭をよぎった。
父は、「おもっせけん、観に行くか。」
(おもしろいから、観に行くか)
と、私を連れて球場に向かった。野球のやの字も知らない私は、野球の試合よりも熱のこもった応援に夢中になった。
帰り際、父が、おもっせかったか?(おもしろかったか?)と、聞いてきた事に、応援が楽しかった。と私は答えた。
父は、そげかー(そうか)と、微笑んでいた記憶がある。強面の父との数少ない記憶だ。
この春から息子が高校に進学し、野球部へ入部した。春季大会を迎え息子は、応援の太鼓を任され、ソロで歌わせてももらった。
この大会は、会場が地元だった。息子のおかげであの応援の中に入れさせてもらえた事に感謝を感じつつ声を出す。
球場の程近くに父の墓地があり、風に乗り父の元に息子の太鼓と歌が届いたのかもしれない。
私の元に父の声が聞こえた。
おもっせかったか?と。
こーでいいだけん、うちんちは。 のぎ ゆうた @kuwapoo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
そろ十日記/Macheteman
★15 エッセイ・ノンフィクション 完結済 78話
不定期な雑記帳♪/麦柄けい
★15 エッセイ・ノンフィクション 連載中 154話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます