兵馬俑

Grisly

兵馬俑

偉大な王様が亡くなった。


この時代、王が死んだら、

それに仕える者達、

千人程、殉死するのが慣わしだった。


皆が覚悟を決めていたところ、

重臣の1人が一言。

「よその国では、兵馬俑というのがあり、

 彫刻を埋めて人の代わりにするそうだ。

 

 偉大な王様ならそれを望まれるだろう。

 時代も進んだことだし、

 これを試してみては。」


皆、大喜び。

なんて素晴らしい提案なんだ。

助けて頂いた命、精一杯生きよう。

国のために全力で働いた。




一方その頃、

彫刻家達は絶望していた。


長い彫刻家人生。

彫りたいものが沢山あったのに、

兵馬俑千人分も作るとなると…


ある意味では、

死ぬことよりも悲惨と言える。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

兵馬俑 Grisly @grisly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ