第28話 初日

模擬戦が終わってからアシスさんは"神之片鱗かみのへんりん"について深く教えてくれると言ってくれたので広場の近くのとある講堂に来ていた。


「じゃあ、まずは神之片鱗かみのへんりんとは何だってのを話してやるよ」


「よろしくお願いします!!」


「おうよ――神之片鱗とは精神力を消費して虚空から武器や防具を取り出すを具現化した物だ」


「な、なるほど...?」


「まぁ、要するに自分のスキルの効果を何倍にも引き上げてくれるチートアイテムってことよッ」


アシスさんが分かりやすくまとめてくれたお陰で容易に理解することができた。


「だが、その力を引き出すには、相応の精神力と技術が必要なんだ。簡単に使えるわけじゃない」


「精神力の量が重要……ってことですか?」


アシスさんは少し考え込み、真剣な面持ちで答える。


「まぁ、そうだな。精神力を鍛えるには、まずは瞑想や集中力のトレーニングが有効だな。心を無にし、感覚を研ぎ澄ますことで、精神力を高めることができる。あと、日々の訓練も大切だな。スキルの使い方を熟知し、無駄のない動きを身につけることが重要だ」


「なるほど……トレーニングを積んで、少しずつでも自分の力を引き出せるようにしたいです」


「あぁ、その意気だ。己のスキルを最大限まで磨きあげろ。失敗することもあるかもしれないが、それも学びの一部だからな」


その言葉に勇気づけられ、ヤクモははこれからのトレーニングに対する意欲を新たにした。


講堂を出ると、広場の静かな空気が心地よく感じられた。


「あっ、そういやぁ、お前のスキルって『念動力』関係か?」


ふと、アシスさんが聞いてきた。


「そういえば言ってませんでしたね……。自分のスキルは『磁力ネオジム』……磁力じりょくです」


それを聞くと、驚いた様子で目を見開いた。


磁力じりょくか……それは面白いな。確かに、精神力を高めればお前のスキルもコントロールが楽になるだろうな」


「アシスさん、磁力じりょくを使ったスキルの強化にはどういった方法がありますかね?」


俺は少し不安になりながらも、自分のスキルがどう活用できるのかを尋ねた。


アシスさんはしばらく考え込んでから答える。


磁力じりょくを使うスキルは、他の力との組み合わせで威力が増すかも知れんな。例えば、模擬戦でもやってた、"物体を引き寄せる力"は応用の幅が広い。お前がそれを使いこなすためには、まずはその範囲と制御をしっかり理解することが重要だろうな」


「範囲と制御……なるほど」


「まぁ、なんだ。おっさんの1アドバイスだと思ってくれ。如何いかんせん磁力じりょく使いの奴は初めて会ったもんでな」


そう言いながらアシスさんはボリボリと頭を掻く。


ヤクモは「そうなんですか!?」と驚き、頷きながら、広場に出て、胡座あぐらをかいた。


「今から早速瞑想してみます」


その後30分程、俺は心を無にしようと必死になって瞑想していたら、アシスさんが近づいてきて俺の額に人差し指を置いた。


「――集中」


俺は瞑想を続けながら、アシスさんの言葉に耳を傾けた。


彼の指がヤクモの額に軽く触れた瞬間、心がより一層静まり、内なる雑音が消えていった。


アシスさんの「集中」という一言が、俺の心に深く響いた。


「いいぞ、その調子だ」


俺は瞑想の中で、自分の内側にある力の感覚に意識を集中させる。


最初はぼんやりとしていた感覚が、次第に明確に感じられるようになり、力が自分の体内を流れている感覚が強くなっていく。


力の流れに合わせて、呼吸を整え、心の中でその力をコントロールするイメージを描いていった。


それから1時間ほど経ち、夕日が暮れて来た頃、アシスさんは俺に声をかけた。


「どうだ、少しは感じられるようになったか?」


俺は目を開け、深く息を吐く。


「はい、少しずつですが」


「それならいい。その感覚を忘れるなよ。精神力を鍛えれば様々なことが出来るようになる。何でも出来るわけではないが、昨日の自分より確実に強い自分になれる」


ヤクモはアシスさんの言葉に深く頷き、再び心の中にある力の感覚に意識を集中させた。


瞑想を終え、講堂に戻った後も、その感覚を忘れずに維持しようと努力した。


月の光が講堂の窓から差し込み、部屋全体がぼんやりと冷たい黄金こがね色に染まっていた。


アシスさんはヤクモの近くに座り、ややリラックスした様子で話し始めた。


「ヤクモ、これからお前が一番気を付けなければならないのは、自分の限界を見誤らないことだ。特に精神力を使うスキルは、自分の体調や精神状態に大きく左右される」


俺は無言でその話を聞いていた。


「精神力が消耗しているときに無理に力を使うと、逆に自分を痛めることにもなりかねない」


「それから、もし何か困ったことがあれば、いつでも相談に来てくれ。少しでもお前の役に立てればと思っている」


アシスはニカッと頬を上げた。


俺は「ありがとう御座います」と感謝の気持ちを込めてお礼を言い、アシスさんに別れを告げた。


宿に戻っていると、すでに日が沈み、街の灯りが点々と輝き始めていた。


ヤクモは一人、考えながら歩き始めた。


―まずは瞑想を続けて、自分の精神力を鍛えることから始めよう。


それから、磁力のスキルの応用範囲を広げるために、実際に物を動かす。


ヤクモは次第に自信を持ちながら、自分の進むべき道を考えていた。


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