y=a/x

鵜田羽南

a=1 時間

今日は何曜日だったろうか、

とふと思う。

きっと私の寝ているベッドにはカレンダーか、デジタル時計か何かが置いてあるはずなのだがそれを私は見ることができない。

遠くに聞こえる看護師の声からなんとなく

金曜日かな、

と推測するのだ。


今日何曜日だったっけ、

と俺はお母さんに聞く。

土曜日だよ、

と返ってきてなんとなく安心する。

今日が土曜日だってことはなんとなくわかっていた。


あぁまだ1日あるのか、

と私は呆然とする。

歴史の授業で100年なんてあっというまだ、

なんて言うけれどそれはきっと色んな出来事が次々に起こるからだ。

本当の暗闇の中で生きる私とはまるで違う、色彩あふれた歴史だから早いのだ。


俺は家を出て走る。

小さな川と並走する道を歩く。

川は俺よりずっと早く世界へと流れていく。

なんだか時間みたいだな、

と思いながら、、、

しかしそんな思いなどすぐに興奮にかき消され俺の足は本能的に約束の場所へと向かう。

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