川崎スカベンジ

涼風小鳥

第1話

地球と異世界が混じってからかれこれ十数年が経った。

人々はその出来事を世界融合と呼んだ。

人々は異界化した各地から物資を集めて生活をなりたたせていた。

物資を回収する者たちは漁りスカベンジャー、あるいは探索者シーカーと呼ばれていた。

異界化した町中は決して安全ではない、異形化した動物や、理性のない存在と融合してしまった人間、あるいは無断で侵入する略奪者レイダーであふれかえる危険地帯である。

神奈川は旧川崎、今では異界化し川崎エリアと呼ばれる町、川崎のアゼリアと呼び呼ばれていた地下街に作られた探索者互助会シーカーギルドに所属するある男がいた。

二十半ばで世界融合に合い、川崎の互助会の立ち上げにも関わったが、互助会の中での地位は求めず平の会員として他探索者を続けていた。

男の名は山本響やまもとひびき

「久々に川崎の互助会まで来たけど何か依頼はあるかな、と」

互助会の依頼掲示板を見れば書籍類の募集があった。

「あ、この以来受けてくよ」

掲示板に貼られていた紙を一枚とり、受付に居る女性に探索車証と言う名のドックタグと一緒に提示する。

「ギルド証お預かりします」

「ギルド証?探索者証じゃないのか?」

「あ、すいません最近の入ってくる人たちみんなギルド証って呼ぶもので、その呼び方するってことはベテランですね、ちょっと本日探索者になった方々の付き添いもお願いしていいですか?」

「あぁ、構わんけど情報読む前に頼むのはちょっとまずいんじゃあないかな?」

受付の女性が改造されたパソコンに探索者証を読み取らせて出てきた情報を読み始める。

「そ、そうですねでもまぁ声を荒げる人でもなさそうだったので大丈夫かなと」

「あのーすいませーん」

高校生ぐらいの3人組の男女混合グループが受付にやってくる。

「ようこそ川崎互助会ギルドへ依頼を受けたい場合はそちらの掲示板から探索に向かう場合は右手の幻想体作成所へ」

「彼らかい?」

「はい、そうです」

 短い返事とともに受付嬢が頷く。

「本日探索者になった貴方たちにちょうどベテランの方が来たので同行を依頼しました」

「あ?なんでだよ訓練所での実績もあんのに?」

「あーすまんなそりゃ君らみたいな若いののが幻想体との戦闘なんかはつよいんだろうな、でも探索は初めてだろうし、そのとしじゃ異界になる前の川崎なんてあんまり来た事無いだろ?」

「そりゃそうだけどよ」

「ま、今回おじさんの知ってる探索の仕方とかおしえたげるから、あぁそう言う事で」

「おじさんコスメとか欲しいんだけど出現ポップする場所知ってるの?」「

「詳しくは知らないけど大体どこにあるかぐらいかはわかるよ」

「きみらはさっきの言い方だと訓練所上がりかな?」

「あぁそうだぜ小遣い稼ぎに探索者やろうと」

「それに見つけた者売らずに持って帰ったりもできるんでしょ?

「軽くおさらいしと自己紹介しとこうか俺は山本響、おっさんでも響とでも好きに呼んでくれ、異界化した街には基本は生身では入れない

、特に管理されてる町の場合は」

「なんだっけか何とかって言う磁場の影響なんだよな、それをくぐれるようにするのが幻想体化技術」

「そう、世界融合後に純粋な南限っての居ないって言われてる、で異界に入るために身体に融合した異世界の存在の力を借りるための幻想体」

「あ、あたし三村美香、美香ちょって呼んで」

 と化粧品を欲しがっていたギャルっぽい女子が自己紹介

「あ、俺神楽坂蓮司っていいます、レンジって呼んでください」

 短髪のヤンキーっぽいけど3人の中でリーダーっぽい少年が名乗る。

「あ、僕山田優です、ユウって呼ばれてます」

レンジよりおとなしい雰囲気の少年が言う。

 幻想体化施設に入ると全員の姿が変わる。


俺は顔などは大して変わらないが服装が垢を基準とした世洋風のひらひらした姿となる腰には長剣が提げられている。

 レンジは長剣と盾を背負った鎧姿。

 ユウは杖を持つ、学者風の姿。

ミカは耳が尖りエルフ風の姿で小ぶりな弓を持っている。

幻想体の外見はそのままできる事に直結している。

 レンジは見た目通りに前衛に立ち、仲間を守ることが得意なのだろう。

「へぇ意外だな一説によると幻想体の姿かたちはその人の成果もあらわすって言うからな、もっとレンジ君は相手をつぶしていくタイプかと思ったよ」

「おっさんこそなんだよその恰好」

「もしかして響さんの格好っゲームに出てくるの魔導剣士ですか?」

「そのものじゃないけど、大分近いな」

 魔導剣士と攻撃きと回復そして支援なんかの魔法を全部低レベルだが使えて、前衛にはかなわないものの武器を使っての戦闘も可能な職業だ

「って事は器用貧乏タイプなんですか?」

「ま、俺は君らみたいにパーティじゃないからな一人で何でもできないといかん、なんでこの姿でよかったと思ってるよ」

 幻想体としてできないのは索敵と、罠関連の事だ。

 そちらは生身で覚えて何とかした。

「異界は誰が決めてるのかは知らんがな難度って言うのが設定されてる今回は難度2の所に行くぞ帰りに難度1のエリアで美香が欲しがってる化粧品を取りに行く」

 異界化した街に差3人を引き連れて足を踏み入れる。

 街並みこそ異界kする前と変わらないが、看板の文字などは変質し文字化けして読み取れなくなっている。

「そう言えば異界ではコンビニ探せって習ったんですけど」

「あぁ、異界化した街はその土地の記憶を読み取って物資を出現させる、コンビ二の場合大体物資が何でもそろってるからな後はもじがよみとなくなってるから異界だと目印にしやすいからだ、ま、今回は欲しい物資が決まってるからそれを求めていくんだけどな」

 まず目指すのは書店である。

 地下街から上がった所で刀を提げ、大きめの手甲を両手に付け緋袴姿の少女と出会う。

刀と手甲に歯車が見え、ただの侍ではないと言う事を現している。

「あれ?ひびきさんじゃん久しぶりだねこっち来てるの」

 同業者の侍少女雪村巴ゆきむらともえである。

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川崎スカベンジ 涼風小鳥 @maosuzu

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