第4話 黒い

今日も放課後に屋上に行こう。

そう決めたいてた僕は、授業が終わった瞬間、速攻で屋上に行った。


「よっ!たなか!」


僕より、早く来ていた彼女は笑顔で僕を迎えてくれた。


「ちょっと待ってね、、、」


そう言って、彼女は、バックの中をガサガサと漁り始めた。


「はい!これ!私、金子凛様の手作りである!」


そう言って、彼女は、自身ありげにニヤニヤしながらクッキーを取り出した。


「おお!」


僕は、あまりのクッキーの黒さにびっくりして声が出てしまった。


「ふふん!自信作なのである!」


これは、嘘を言ってでも美味しいと言わないといけない雰囲気だ、、、


そう思った、僕はここで一応確認を取ることにした。


「これって、チョコクッキーとかですよね?」



「ちょっ笑 田中〜見るめないな〜」



「え」



「これは、バタークッキーだよ!見てわからないのか?笑」



「あはは、やっぱこれ、バタークッキーですよね、、、」


嘘でも、おいしそう!とは言えない。


しかし、これは彼女の手作り!しかも、頑張って作ったのだろう。

 となれば!食べる以外の選択肢なし!



「で、ではいただきます、、、」


「ささ、お食べなさいませ。田中のために作ったんだよ〜」


彼女は、笑みを浮かべながら僕が、食べる瞬間をじっと見てる。


「!?」


「どうだった?」


「見た目は、あれだけど美味い!!!」


「だろー!見た目失敗しちゃったけど、大事なのは中身だからな!」


僕は、クッキーが少しだけ、前よりも好きになった。




「これ、後数枚もらっていいですか。」


「おー!だいぶ気に入ったみたいだね!食え食え!!!」


そうして、放課後彼女が美味しい食べ物を持ってくる回数が増えた。




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