託された者のキー・フォース

@zamurai

第1話

とある青い星の遠い未来。


この星では発達した化学、兵器による戦争で滅び掛けていた。

そして更に長い年月が経つと、

この闘いは 最早国同士の争いではなく、二種類の人間たちによる生存競争になっていた。


過去の世界を求める王国の民。


混沌に生きる反逆者達。


人々は戦争により荒れたスクラップだらけの世界で、それぞれの理想のために戦っていた。



━この星の現状を見たとある存在はこう考えた。


群れなければ生きていけない生き物達が自ら傷つけ合うのならば、二度と再生が出来ないようになれば良い。

未来をこの男に託そう。


とある神を信仰する教団の教祖が天命を受ける。



────錆び付いた街、通称「スクラップ・ヤード」


「よう、兄ちゃん最近この辺にもキー・イビルが暴れてるらしいな。 先日ウチの下っ端野郎が2人逝っちまったよ。」


髭を生やし、ボロボロのレザーコートを着た大柄な男が、小さな店の店主に話しかける。


店主の返事が遅いので少し苛立ち、分厚い靴で、店の壁を蹴る。ガァン、とスクラップを繋ぎ合わせた壁が振動する。


「聞いてんのか?」


髭の男が睨むと、奥から作業を止めた店主が姿を現す。


「...ったく店をこれ以上ガラクタにされちゃあ困るんだよ。武器売ってもらいてぇなら落ち着きな」


髭の男はキレそうになったが、ぐっと堪える。


「フン..まぁ良い。とにかくまたウチのチームに新入りが入る。適当な武器は無いか?スクラップを繋ぎ合わせただけの、薄い剣とかは辞めろよ」


「使い手によるんだよ。武器の性能は使い手によって変わる。まぁあんたらみたいなギャングには分からんさ」


「さて、とりあえず武器が居るんだろ?こいつを売ってやる」


店主は壁に掛かったものを二つ取り外し、カウンターに置く。


「ほう。銃か 銃ってことは...」


髭の男は続ける


「弾丸は別売りかぁ?」


「フン..舐めてもらっちゃ困る。俺の武器はただモンじゃねぇ。こいつは銃口に入るサイズの物なら何でも発射できる。」


髭の男は驚いた顔で 壁に掛かった同じ銃を指さす


「そいつはすげぇな.. ならあともう1つ!俺の分まで売ってくれ!!


..「全くガキみてぇに騒ぎやがって..」


「そんで幾らだ?」


「3つで18万ガラだ」


「あ?」


髭の男の表情が一変する。


「舐めてんのか兄ちゃんよ この前買った傷口を燃やす大剣が2万だ。んでこいつらが1つで6万だと?」


「スクラップを発射するだけの銃で6万と..?」


「3万にしろ」


「6万だ」


食い気味で返す。

店主は交渉に乗らない。


「舐めやがって..このガキ..!」


「暑くなりすぎだ。こんな銃より薬に金使ったらどうだ?早死しそうだぞお前」


ブチっ!と嫌な音がする。髭の男の血管が切れた音だろう。


髭の男はカウンターの銃を取り、素早く自分のアクセサリーを銃口にぶち込むと、店主の脳天に狙いを定める。


「くたばれ!俺様を侮辱罪した罪と、お気に入りのネックレスを発射させた罪でなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ドオォォン!と、轟音が鳴り響く。


銃から物凄い量の煙が立ちのぼる。


「死んだか?..はァ..はァ..」


髭の男が煙を払い除ける。


「!?」


店主は確かにそこに居た。避けてはいなかった。


「俺の銃..故障か?」


「いや、故障っつーかまぁそうゆー仕様だ」


「あっっ!?」


髭の男が異変に気づく。 男の銃を握った左腕は粉々になっていた。がつん。と情けない音を立てて銃が落ちる。

おびただしい出血で髭の男は倒れる。


店主は男の財布やら他のアクセサリーをパクり、髭の男を適当に手当して、その場を後にした。


「毎度あり。うちは移動式の店なんでな」



スクラップヤードの武器商人

彼の名は、ディアフ・カルバ。























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