"混沌の支配者"メグ・ミントハート

「魔動機の使徒よ、我が混沌魔法によって粉みじんになるがいい!!」


エルフ:女 139cm 趣味:沐浴 好きなもの:母と混沌魔法 嫌いなもの:魔動機


ロックウッドで指名手配犯となっている魔法使い装束を着た眼帯の黒髪少女。

神託の一つである"ロックウッドに蛮族襲撃をもたらす存在"こそ彼女である。


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自然と調和し自然と共に生きるエルフの部族に生まれた彼女は、左眼に三本の紫光線を持つ特別な子として迎えられた。幼少期より強力な魔力を持ち集落でも期待の新星として育てられたが、特異な魔力は特異な者達に愛されることとなる。


六属性を混ぜ合わせて生まれる衝撃・混沌魔法。彼女は混沌を愛する6体の妖精に愛された。また自身も混沌魔法の衝撃と煌めきに熱く胸を打たれ、幼くして使い手となる事を決めたのであった。


彼女は母親の言う事を全て素直に聞き、母親の言う通りに生きた。母の為に勉強し、母の言う通りに身体に刺青を施した。次第に、愛されたはずの妖精達を、母に教わったやり方で思うがまま支配し始めるようになる。父の事はまるで居ないかの如く、母親の話だけを聞き続けた。左眼の紫光は成長するごとに強くなっていき、次第に眼帯で隠さなければならないほどになっていった。


成人となる前、12歳の頃には妖精達の力を最大限に引き出し、自身のレベルを大きく超える強力な混沌魔法を発動する事が可能になった。妖精達の生気を確実に削っているが、そんな事どうでも良い。力を得たメグは、母の嫌いなものを全て葬り去ろうと考えた。

メグの母親は里の方針を曲解し、"自然あらざるもの全て破壊すべし"を信条としていた。そしてメグもまた同様である。最強の混沌魔法は、自然とは対極にある存在である魔動機と、人工生命体であるルーンフォークに向けられることとなる。

対外に対し不干渉を貫いていた里の者達は止めようとしたが、彼女は父親ごと里の民全てを吹き飛ばし、帰るべき地を母親の膝のみとした。彼女は生まれたその時から、命というモノを大事に扱う思考など持ち合わせていなかった。否、身体に流れる魔力によって思考すらさせてもらえなかった。


"自然以外には興味を示さない。それがたとえヒトであろうと、蛮族であろうと、邪魔なものは排除する。混沌魔法は全てを平にする。そして妖精の力によって平らになった大地には、新たな生命が芽生え、やがて自然となっていく"


"大気からマナを搾取する魔動機などあってはならない。全てを破壊し尽くすまで、私は止まる事はない。人工生命など、存在そのものが禁忌である"


彼女の破壊活動は止まらなかった。様々な地方で、魔動機文明遺跡の破壊被害やルーンフォークの里消失事件が起きていた。最初は達成感を分かち合っていた彼女の母はいつの間にか人形のように感情を失っていたが、破壊するたび称賛の言葉をくれる母はメグにとって生きる糧そのものであった。


そして何年かの月日は流れ、彼女はルーンフォークの都市であるロックウッドに目を付けた。人工物に溢れた都市は彼女にとって自身の存在を否定するものである。残らず灰にしてやろうと心に決めた。もはや会話すらままならなくなった母親を隠れ場所に潜ませながら、明晰な頭脳を用いて破壊計画をまとめていく。

以下の記述は、彼女の計画資料を抜粋したものである。


"剣の欠片を破壊すべく冒険者ギルドに潜入したが、あと一歩のところでギルドマスターに妨害されてしまった。だがあの構造ならば剣を移動する事などできまい。混沌魔法で消し飛ばしてしまえば簡単に滅ぶだろう"


"守りの剣や都市機構を機能停止させてしまえばよいと考え、中心部へ向けて最大級の混沌魔法を解き放った。だが人工生物達の文字通り身体を張った妨害により都市の破壊までは至らなかった。人工生物生産装置がある限り、再度魔法を放とうと同じ事を繰り返されるだろう。また警戒を強められ発動前に狙撃される可能性が強まってしまった。魔法発動中に見つかれば、無抵抗のまま反撃に遭うだろう。そう何度も使える手ではない。あと1,2回で決めなければならない"


"周囲を哨戒し、使えるものはないかと確認した。やはり、東にいる蛮族共と戦わせるのが良いだろう。今は停戦中の奴らをその気にさせて、乱戦中に混沌魔法で吹き飛ばせば駆除も兼ねて一石二鳥だ"


"まずはロックウッドの住人に成りすますために、業腹だが魔動機を用いなければならない。景気よく蛮族共の本拠地にマギスフィアを投げ込めば十分だろう。

ロックウッドの住人達が逃げないよう、魔動列車は破壊しなければならない。陸の孤島にしてしまえば、残るは破滅あるのみだ。ターミナルの破壊を狙おうか。狙撃手のいないタイミングを見計らえば、あと一度は撃ち込めるだろう"


"計画は多少狂ったが、全ての準備を終えた。混沌魔法を打ち消された時は流石に驚いたが、計画に支障はない。大規模戦闘となれば、いかな奴とて全てを守る事などできないだろう。"鴉"からの情報によれば、遠征による魔力使用によって守りの剣はかなり弱まっているとの話。壁が崩れた今ならば、蛮族共を向かわせて良い頃合いだ。最終工程に移ろう"



グリフォンに乗り蛮族領に踏み入った彼女は、意味ありげな口上と共に魔動機を使用しながら多くの蛮族を引き付ける。そして南東地域の蛮族の首領・ディアボロルテナントの居城に躊躇なくマギスフィアを投げ込み始めた。

「我はロックウッド一の冒険者にして、この不毛な戦いを終わらせるもの!守りの剣が消えた今、先に攻め入り落とすしかなかったのだ!これだけやれば、攻められまい!はーっはっはっはっ!!」

大小さまざまなマギスフィアがボムと化し、爆発していく。混乱に陥る蛮族軍を嘲笑しつつ、彼女はそのままグリフォンを翻し、ロックウッドへ向かっていく。あたかもロックウッドの冒険者を装い、そのまま過ぎ去り隠れ家へと逃げ去っていく。


住壁都市の守りの剣は、魔晶石の採掘できる集落を救うため剣の加護を冒険者に授けた事と、混沌魔法による爆発により弱まった魔力を補充中であった。神託にある大規模な蛮族襲撃は、たった一人の、魔動機を憎む冒険者によって行われることとなる。


蛮族の首領が軍を率いてロックウッドを攻める。迎え撃つは都市で生まれ都市に仕える事を決めたルーンフォーク達。傍らでほくそ笑むは、左眼を通して思考の全てが魔神の魔力に侵された、魔法装束の少女であった。



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以下、補足


・生まれつき左眼に3本の紫光線

生まれる前に魔神の苗床を植えられてしまった母親を経由して、魔神の魔力が与えられている。幼少期に与えられた知識も、母の愛情と感じた誉め言葉も、果ては自身の心情も、自我と思っているものさえも、その全てがとある魔神の実験に過ぎなかった。彼女を解放する術は、プレイヤー達の接触時の行動次第である。


・ロックウッド西に逃げる

本拠地はロックウッド西にある廃鉱。小規模混沌魔法で拡張しており、プレイヤーの「西に向かった」情報がギルドに伝わる前は快適に暮らしていた。PLのおかげで拠点を追い出される事となり、動かない母親を空き家に隠しつつ破壊行動をしている。

ちなみに鉄鉱山は既に取り尽くしたと考えられていたが、拡張部分から少量の鉄石が発見されており、この発見がメグによる唯一の利点となった。


・メグ生存ルート

①初邂逅時、素直に花飾りを渡す(次の邂逅時会話が変化)

②2回目の邂逅時、魔動機の使い方を丁寧に教える(次の邂逅時会話が変化)

③魔動列車の爆破を思いとどまらせる(歌姫がロックウッドに来なくなる)

④八方から銃を構えられた時に救出する

その後、アクシズにより体内の魔神魔力が排除され、アクシズの家で母親と共に重労働に明け暮れる事になる。

※かなり条件厳しいから基本生存しない。ただアクシズと知り合っていれば、アクシズが場所を聞き出し、リムーブカースで苗床を破壊するため母親は生存する


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※終了後追記

アクシズと完全敵対&メグ初対面にてプレイヤーが敵対したので彼女を止める術無し。魔動機の使い方を教えた時に思いとどまらせるとか、列車を襲撃しようとする彼女を引き留めるとか考えてたのに、全て省略。悲しい。という事で奈落の魔域化。

いや生存ルートかなり厳しいから生き残りはしないと思ったけど!アクシズの出番なしは最悪の展開!…まぁそれも選択の結果。話が生まれるゲーム、良いよね。

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