喪失について

彼女の痕跡は、私の部屋から姿を消した。


品も、匂いも、何も無い。私は窓から差し込む光で、目を覚ました。


今日はバイトも、大学もない。


嬉しい反面、どことなく張り合いのない寝ぼけたような休日。


鏡の前で顔を洗いながら、ぼんやりと考え事をする。


やっぱり、猫は貰っておくべきだったなとか。

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