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 そして、私たちにはその機密性の高い業務ゆえに、禁止事項や規則がある。

「あやとり」の目で見たことを公言すること、禁術を使うことなどなどの禁止事項や、自分が生まれた土地には住めない、職務に就く前には水盤裏で身を清めるなどの規則などがあるのだ。

 これらは、形骸化している禁止事項でもなければ、規則でもない。私たち、挑文師は、身に染みてそのことを知っている。

 私と千景は挑文師として罪を犯している。

 融に関しては禁書を管理していた母を失っているようだ。

 私達は痛みをともなって身を切って、この職務についている。挑文師は記憶に関して痛みや傷を負ったためにこの職務についていることが多い。

 しかもやめることは、出来ない。中々シビアな生業だ。

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