一万字読書 カクヨムコン9版

鎮魔師─知足─ 鉤尻尾様

【タイトル】　鎮魔師─知足─

【作者】　鉤尻尾

【ジャンル】　異世界ファンタジー

【執筆状況】　完結

【形式】　長編

【読んだ話数】　「第18話 信仰」まで

https://kakuyomu.jp/works/16817330663389308591

　中華風ファンタジーって最近よく見かけます。中華後宮風ファンタジーが流行っていることもありますし、中国制作のアニメが話題になっていることもあるのでしょう。異世界ファンタジーと並んで今後定番になっていくジャンルなのかもしれません。

　そしてこちらも中華風異世界が舞台。

　退魔師である主人公ですが、ある日突然職を失います。退魔師であるがために様々な制約の中で生きてきた主人公。もう退魔師じゃないし好きにやろうと開き直っていたところで、隣国の将軍に自分の国の魔を沈めてくれと依頼されます。しかしながら主人公、剣舞は出来るものの魔を鎮めるなんてしたことがありません。主人公の今後はいかに！？というお話です。

　実は主人公が習得した剣舞こそが魔を鎮める力を持っているのですが、特殊な環境で育った主人公はその自覚がありません。職を失い、旅に出たことで自分が普通だと思っていたことが特別なことだったと知っていくのです。

　環境が変わることで初めて気づくことってありますよね。制約に縛られていた主人公が様々なことを体験していく様子は雛鳥を見守るようで微笑ましくあります。我慢させられて生きてきたゆえにヤンチャな部分もありますが、それを含めても応援したくなる主人公だなと思いました。

　こちらの作品、タグに「成り上がり」とあるので、職を失った主人公は隣国にて才能を開花させていくことになるのでしょう。「バディ」「ブロマンス」というタグからも将軍との関係が特別なものになるとうかがえます。

　私が読んだところまでですとまだまだ二人の関係は手探り状態。今後どうなっていくのか気になるところです。

　すでに完結している作品ですし、中華系ファンタジーが気になる方、読んでみてはいかがでしょう。

　企画に参加いただきありがとうございます。