ほしかったもの。
ロボットがほしかった。
もらえたのは、ニューヨーク東八番街の奇跡に出てくるみたいなちいさなロボット型のラジコン。
それは畳の上でじりじり動いたけど、畳の縁を乗り越えられなかった。
一日だけ遊んだ。
ミシンがほしかった。
もらえたのは、刺さっても痛くないどこもかしこも尖っていない毛糸のミシン。
作れたのは、フェルトの上にお城の模様をかくだけのお絵かき。
一日だけ遊んだ。
コンピューターがほしかった。
もらえたのは、液晶画面が一行だけあるハガキ印刷機能のついたワープロ。
何万円もしたんだって。すごいね。
お父さんのものになった。
憧れたのは荘苑。一枚の布からアシンメトリーな服を縫いたくて、
憧れたのはロバート・カーン。学校では教えてくれない世界の技術を知りたくて、
お父さんはワープロで、今でも年賀状を打ってる。
※ココア共和国2024年11月号4コマ詩として掲載
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