Colored Maybe Navy Blue...

エリザベスカラーのふち

壁を削りながら歩いている


せわしなくこする摩擦音は

彼女の苛立ちを高め 私を諌める


四つ足の毛深い黒い娘は

その脚の一部を朱色あかく染めて

内にある血潮の筋は

蜘蛛の糸よりも頼りない


躰のうちに 宿る魂は

いつか間違いなく そこはかと消える

地に這う根は千切れ 空をく翅は羽ばたき

そらのアオは無限大


カラーから解放されたとき

彼女は地にその身を宿して

自由に朗らかに その生を謳歌する


Maybe Blue,

Colored Blue,


その色ははるか彼方に

私たちをつれていく

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