紅い流体
身体が受け付けなくなっても
わたしは紅い液体をのむ
失われたものが なにか
わかりきっては いないけれど
わたしは紅い液体をのむ
階段をひとつ
踏み外したような空気が
わたしの脳を襲っても
わたしは紅い液体をのむ
しあわせだった
わらいあっていた
なにものもおそれていなかったころのわたし
刻まれた血潮をたどるように
海原からグラス一杯のワインを探す波は
すぐに見失い
わたしを除け者にする
そうだとしても
波に漂うボトルメイルは
割れることなく
一度大航海をして
わたしの血潮にたどり着くだろうか
わたしはそれを願い
紅い流体となる
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