ましろのオッドアイ
ましろのオッドアイは、ぼくの猫。
青と黄いろの目をもった、自由ほんぽうなあいつ。
ましろのオッドアイは、きっと特殊任務についている猫だ。
いつのまにか、ぼくの後ろにいたりする。
これはきっと、ましろのオッドアイの特殊能力。
ましろのオッドアイは、ずっと天井を見ていることがある。
きっと、あいつにしか見えない何かを見ているんだ。
カッチャカッチャと、音を立てていることがある。
きっとどこかと通信してるんだ。
たまに四角い箱にいることがある。
きっとどこかから、転送されてきたんだ。
ましろのオッドアイは、どんな高いところでも一発でのぼれるし、一発でおりることができる。
これはきっと、ましろのオッドアイだけに許された能力。
ましろのオッドアイが、いつもとちがう声で鳴く。
きっと終わった任務の報告をしてるんだ。
仲間を呼んでるんだ。
目を光らせて、臨戦態勢。
ゆったり構えているときは、きっと平和な待機時間なんだ。
ましろのオッドアイがいなくなる。
重大事件だ。
どこを探しても、ましろのオッドアイは出てこない。
雨の日も風の日も雷の日も、
おこづかいで買ったおやつを持って、いくら探しても、出てこない。
きっと、特殊な任務についたんだ。
車の下、公園、学校の裏、どこを探しても、ましろのオッドアイは見つからない。
きっと、地球じゃないところに遠征してるんだ。
ましろのオッドアイは、ぼくの猫。
ぼくはそう思っていた。
でもあいつがいなくなってから、ぼくは心がぽっかり、からっぽになってしまった。
あいつは、一流の泥棒だったのかもしれない。
ましろのオッドアイが、たくさんの部下を連れて戻ってきた。
きっと特殊チームで成功して、功績がみとめられて、部下がついたんだ。
ましろのオッドアイに、ぼくは夢中。
これもきっと、あいつの特殊能力。
ましろのオッドアイは、特殊任務についている猫だ。
ぼくとましろのオッドアイは、講和条約を結んだ。
地球がずっと平和なら、ましろのオッドアイは、もう仕事をしなくてすむんだろうか。
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