冬の章 墓標

枯れ葉が今日も墓標に落ちる。

清冽せいれつを極めようとする鋭利な水。


空は雪雲を従え鈍色の柔らかい冷たさを伝える。


白い季節があなたの色に似て揺れ舞う雪の結晶に想いを重ねてみた。

でもあたたかく感じたあなたと どこか似つかわなくて。

晴れた空が待ち遠しい。


冬の花々が太陽を待つように咲き誇る。

植木鉢にはまだ あなたという心の穴を残している。


枯れない感情を眼差しにのせて。



不意に強い風が吹いた。


気節の呼び声。

もうすぐ私も枯れ果てる。



せめて最後にこの一輪を空へ捧げさせて。

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