転生人はがんばりたい

玄素大葉

第1話 夢


 夢をみている。


 光も闇もなく、しいて言えば灰色の影のないどこかに居た。

 終わりのない微睡まどろみの中でだらだらとただよっていると、どこからか声が聞こえて来た。


「お前はこれからある世界へ行く。

 その際に1つだけ願った力を得る。

 世界を越える特典みたいなもんだ。

 ただし強力な願いなら制限され、ささやかな願いなら利用性が増す。」


 ふーむ、目安がわからん。なんかヒントをくれ。


「その力がなにかしらで代替できるものである場合は問題なく使える力となるだろう。

 たとえば瞬間移動の力ならばいくつかの軽い制限や代償の上で問題なく叶うだろうが、過去に戻るという力ならば限りなく無意味化したものか、恐ろしい代償が求められるだろう。」


 あー、そういう事か。

 どんすんべかねぇ・・・、ああ、あれならいいかもな・・・、えぅっとだな・・・


――じゃあ『クラフトボックス』で頼んまさぁ。



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