第2部 第11章 またもや襲いかかる政治のお話
第1話 対策会議
「やあ、待っていたよ大輔君」
結局呆然としていたあの時の電話は信康さんのものだった、本家にて対策を立てたいから知恵を貸してくれとの事だった。
「俺は出来れば政治の世界に関わる事は勘弁して欲しかったんですけどね〜」
「すまんが緊急事態だ、知恵を貸して欲しい」
「わかってます、今回は事が事ですしお手伝いしますよ」
「正直助かる、では書斎にて話そう」
そう言って案内して貰った書斎には既に泰子さんと史泰さんが待っていた
「お久しぶり、美和子と大輔君」
「大輔君久しぶりだね」
「友好を深めるのは少し後回しにしてくれ、時間が惜しいのでね、大輔は初めてかこちらは私の秘書をしておる猿渡だ」
「先生がお世話になっております、公設秘書の猿渡と申します」
「初めまして、甥の風間大輔です」
「義妹の風間美和子です」
「自己紹介は済んだな、早速だが朝の騒ぎは見たか?」
「はい、家族全員で唖然としましたよ」
「なら話は早い、早速だが対策会議といこうか意見があるなら答えよう」
「ふざけた話ですよ、父さんがそんな事する筈が無い!」
史泰さんが怒りを露わにするが、信康さんは冷静に事実を述べる
「単刀直入に言うが現金を受け取ったのは事実だ」
「馬鹿な! 何故そんな事を、清廉潔白な政治をと言うのが父さんの信念だった筈です!」
「私の信念ではあったのだがね、実際の政治とは汚い金の動きの中にいる人物だけが政治に関わる事が出来るという事実だけだったのだよ」
「そんなのは詭弁です!」
対立する2人の親子がヒートアップしてるが少し落ち着いてもらおうか
「まあまあ2人共少し落ち着いて、泰子さん、お茶を貰ってもよろしいですか?」
「そ、そうね、和代さん、お茶を人数分お願い」
泰子さんはハラハラしながら2人の対立を見つめていたが、俺の言葉で落ち着きを取り戻したのか、お手伝いさんにお茶を頼んでいる、無事お茶も届き一服した所で話をしよう。
「史泰さんがお怒りなのはわかります、私達ネクストとしても多額の税金を納めてる側ですから、不正の温床である政界の構造に怒りも湧くと言うものです、ですが客観的事実として歴史的にみても、世界中見渡しても、利権の奪い合いこそが政治を動かす原動力というのは否定できない事実ではあるんですよ」
憤懣やる方ないと言う表情ではあるが、少し落ち着いたのか席にドッカリと座る史泰さん
「悲しい現実ではあるが、現在の日本の政治構造上、汚職と言うのはなくならないものなのだろう、それが政治という現場に居た自分の結論であり、政治の中枢にいる為に私が最終的に現金を受け取った理由でもある」
「そんなの言い訳だよ!」
「まあ落ち着いて史泰さん、一旦話を整理しましょう、とりあえず政治のお金の話云々は今は置いておきましょう」
「おいおい!」 「えっ何で?」
信康さん親子や風間姉妹も困惑する中
「今回の件ですが、隠されてたお金の話を誰かが表沙汰にした事こそが問題の本質なんです」
そう政治の腐敗の問題は横に置いとくとして、誰かがピンポイントで信康さんを狙ったのが大問題なのである
「結論から言います、お金の話が世に出た時点で負けです、取り返しはつきません」
俺の結論に全員が息を飲み絶句する。
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