第二部 第7章 1991年後半も色々ありまして

第49話 偶には1人でソロキャンプでも①

 あの後、JRAのお偉いさんからまたも大目玉を喰らった大輔です。


 色々言い訳してたら最終的にゲンコツをくらい正座までさせられた件、児童相談所行って訴えたろか?

 まあ後日身内からも説教を受けた身としては仕方ないのか?



 さて本日は秋も終盤という事で、家族にお願いし某県境の山奥に1人ソロキャンプに来ております


 小次郎には「俺も行きたい、行きたい」と駄々を捏ねられたのですが


「小次郎キャンプをする時はね、誰にも邪魔されず自由で なんというか救われてなきゃあダメなんだ、独りで静かで豊かで……」


 と説明をしてたら諦めてくれたらしい、(気味が悪かったともいう言う)



 移動には、由佳さんに頼み込んでバンを出して貰った、こう言う時車がないのは不便だ、くそ来年絶対免許取ってやる


「由佳さん有難うね!」


「何バンには乗り慣れてるしな、大輔には世話になったしこれ位はさせてくれ」


「そうそう康二兄とはどんな感じ?」


「ん? まあ良い感じだぞ、それに……」


「どうしたの?」


「いや帰って来てからな!」


「まあいいけど?」


 歯に物が挟まった物言いは気になるが、後で教えてくれるってんならいいや


 2人で準備して来た道具を下ろして由佳さんは帰路の途につく


「んじゃ、明後日迎えにくるからな、本当に安全には気をつけろよ?」


「おう、じゃまた明後日によろしく〜!」


 ようやく1人となったので道具を持ち予定地へと向かう、当初ソロキャンプすると言った時両親は余り良い顔はしなかった、まあ安全面を考えるとそれも当然だろう、だが一生懸命説得をしてどうにか許可を貰ったのだ。


 何故ここまで拘ったかと言えば、ここ最近忙しくて全然スローライフになってないなと思ったのが一つ、もう一つが偶には1人で過ごしたいと言うのもあった、タイムリープで過去に戻ったとは言え一人暮らしから急遽家族生活になった事で本当に1人になる時間が少なくなったのだ、そんな中ソロキャンプと言う欲求に我慢できなかったんだ


「ん、この辺が良さそうだ」


 ここは今の歴史軸ではこの時期数少ない管理キャンプ場ではあるのだが、管理場に管理人が1人居るくらいの緩いキャンプ場なので、ほぼ自己責任なとこだ、安全面には本当に気をつけないと


「ここなら水が出る事もないし、獣の類も寄りつかなさそうだ!」


 実は過去に何度かキャンプ経験がある俺は、知識を活かして居留地を選ぶ、ここにテントを立てる事にした


「しかし今の日本ではキャンプ道具の類がほぼ海外製頼りな点は如何ともしがたいな〜」


 そう、海外製なのでかなりお高い上に未来の道具を知ってる俺からすれば、その海外製ですら不便に感じてしまうのだ、それでもなんとかテントとターフを設置して居留地を完成させた、持って来たガスコンロでお湯を沸かしコーヒーを作る


「ふ〜、ようやく一息つけたな」


 寝床の準備も完了した俺は一服しこれからのキャンプ生活に思いを馳せるのであった

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