第24話 風間家本邸にて
「まったく、由佳も美和子も困ったものね」
現在、絶賛泰子さんから愚痴を聞かされております。
「ははは、由佳さんにも色々と理由があるんですよ、詳しい説明は美和子さんからあると思いますが」
「わかったわ、史泰、2人の面倒をお願いね!」
そういって泰子さんは俺のひとつ上の息子、史泰さんに俺達の面倒を任せる
「わかったよ、母さん、やあ大輔、小次郎久しぶりだね!」
「お久しぶりです、史泰さん」
「史泰兄、久しぶり」
「ははは、小次郎は元気だね、さあとりあえず僕の部屋へおいでよ」
史泰兄に部屋へ案内して貰うと机の上にPCが鎮座していた。
「どうだ、凄いだろ、これはパソコンといって個人で所有する学生は中々いないだろうね〜」
でたよ『スネちゃま』仕草、この人は良い人なんだが、ちょくちょくお金持ち自慢を始めるのだ、おっ信長の野心があるじゃないか!
「ああ、信長の野心群雄割拠伝があるじゃないですか! 一緒にやりましょう」
俺がパソコンに全然驚かない事で幾分鼻白むも、興味を持ってくれた事は嬉しいのか、よしやろうとゲームを始める。
「僕は信長で始めるとしようかな、2人はどうする?」
「僕は小次郎の軍師という事で教えながら一緒にやります、小次郎好きなとこ選びな?」
「んじゃあ、ここ、島津?」
「ははは、そんな南の端で良いのかい?」
「うん、ここにするよ」
「それじゃあゲームスタートだ!」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ゲーム開始から2時間、小次郎に説明しながら早めに北方への侵略を進め、瞬く間に九州を制圧した
島津は後方地域が存在しない為、戦力を一点に集中出来るのが強みだ武将も優秀なのが揃ってるしね
史泰さんは内政しつつ人材確保の為、あちこちの有力武将の引き抜きに余念がない様子、ようやく稲葉山の攻略に進もうかというところだった
ああ、そういうプレイスタイルね、わかる、俺も最初はそうだったわ、強い武将集めが楽しいゲームだしね。
更に1時間後
「そんな馬鹿な!」
史泰さんがようやく近畿地方へ目を向ける頃、俺と小次郎の島津軍は中国、四国を平定し一気に近畿地方も平らげ無人の野を征くが如く信長をも滅ぼしてしまう、後は消化ゲーなのでそこで終了となった
「やった〜、兄貴、勝ったぞ〜」
「見事ですぞ親方様!」
なりきりで軍師役を務めた俺も満足です、一時呆然としていた史泰さんであったがようやく立ち直ったらしい
「いや〜まいった、小次郎君やるじゃないか!」
「それほどでもあるかな!」
史泰さんの称賛の声に小次郎も鼻高々である、そうやって皆で健闘を讃えあいゲームを終える
「もうこんな時間か? そろそろリビングに行こうか?」
ゲームを終え良い時間となったので皆でリビングへ向かったのだが
「美和子、貴女どういう事なの!」
書斎の方から泰子さんの怒鳴り声が、どうやら向こうではまだ修羅場は終わっていないようです。
後書き
信長の野望シリーズ ご存知光栄の金看板、今回取り上げたのはシリーズ3作目、初の配下武将が採用された戦国群雄伝がモデルとなっております、正直多人数プレイだと12時間かけてもここまで進まないでしょうが、物語の都合上サクサクと進めさせてもらってます
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