第11話 ねるとん大鯨団③

「では告白タイムの前に、意中の人を聞いていきましょう!」


「まず1番と2番ですが、聞く必要なくね? との事で飛ばします」


「「ちょっ、待って!」」


「え〜、美和子さんでしょ、露骨すぎるし」


「それでも色々聞けよ!」


「そうだよ、大輔君、これでも色々考えたんだから!」


「それじゃ聞きますけど、美和子さんに決めた理由は?」


「そうだな、一目惚れって言うと少し語弊があるが、お前に初めて会いに行った時に凄く丁寧に言葉を貰ったよな、あの時から俺の心の中にあの人の姿が焼きついたままなんだ!」


 へ〜、本当に初対面から思ってたんだ、これは初めて聞いたな。


「次は僕だね、最初は自分を救ってくれた会社の上司のつもりで対応してたんだけど、知れば知るほど素敵な女性だと思い、お話を聞いてるといつの間にか妻といた時に似た感情が胸の内から湧いてきたんだ、かと言って彼女を妻の変わりとか言いたい訳じゃない、別の女性として好きになったんだ」


 晴彦さんもマジなんだよな〜、美和子さんに失礼だけど弁護士になった今なら他にいい人も捕まえられるだろうに。


「2人の気持ちはわかりました、それでは告白タイムをお待ちください」



「続きまして3番、藤林憲剛さん」


「勿論、4番の朱里さんじゃ!」


「いや爺さん、年を考えろよマジで! 娘どころか孫がいたら同世代だろうに」


「阿呆、男女の恋愛に年の差など弊害になるか! ワシは朱里ちゃんとラブラブな関係を築くのじゃ」


 どうやら爺さんはマジらしい、どうなる事やら。


「は〜、それでは告白タイムをお待ち下さい」



「続きまして、4番、藤木雅也さん」


「よ〜坊ん、司会ご苦労様」


「ここに来て初めて労われましたよ、では本命を聞かせて下さい」


「3番、風間由佳さんだ」


 え〜、こいつは意外と言うか驚いた、余り絡みも少なかったんだけどな?


「えっと意外ですね、そんな絡んだ印象なかったんですが?」


「まあ彼女目当てが別にいるみたいだしな、ただデビューした頃から実は大ファンでな、昔ライブ観に行った事もある」


 本当に驚いた、最初期の頃からのファンじゃないか?


「今回告白は失敗するかも知れんが、ケジメはつけんとな」


「由佳姉ね〜、とりあえず応援しますんで頑張って下さい」


「おう!」



『では最後5番、謎の外国人覆面レスラーさん』


『当然1番の奈々さんですね、彼女とは英会話も問題なかったし、今度ゲームする約束もしてるしね』


『でもビル、日本とアメリカでガールフレンドの意味合いが若干違うけど大丈夫?』


『その辺も聞いたよ、ワイフの話もしたしハズバンドじゃなくてボーイフレンド位の気持ちでってね!』


『そこまで話てたんだ? なら上手くいくかもね、頑張ってビル』


『ああ、きっと友達になってもらうさ!』



 さあ全員の思惑は理解できた、ここからは


「待たせたな野郎ども、ここからは……告白タイムの時間じゃーー!!」

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