第七十三話 アナハイム国際会議にて②

 どうにか興味を引いてくれた様で、俺達の話を聞いてくれる事になった、現在会議場にある一室にて俺の目の前にはあのビル=ゲイトが、改めて凄い事になったと緊張気味の大輔です


『ではお話をお聞きしましょう』


『光栄ですわ、では私等ネクストは御社との提携を考えております』


『……提携話ですか、しかしながら現在私達は追加でどこかと組む事は考えてないんですよMrs.ミワコ』


『とりあえずネクストでは4500万ドル程ご用意しております』


『4千ご!!』 『馬鹿な!』


 流石におったまげるだろうな、あの後ネクストでは集めた資金を効率よく運用して55億円程の資金を集める事が出来たのだ


『ネクストでは現在の株価の20%増しの金額で御社の株式を購入し提携を結びたいと考えております』


 流石に話が大き過ぎる為向こうも戸惑っている様だ、秘書の方が問いただす


『失礼ながら本気ですか? Mrs.美和子、その額ですと間違いなく貴方がたが筆頭株主となります、コチラとしても企業防衛の観点として飲む事は出来ない』


『心得ております、ではこちら側からの提案です、御社と契約を結び株式の移譲に関してはマイクロン側とのみやり取りさせて頂くと言うのはどうでしょう?』


『他所とは株式のやり取りをしないという事ですか?』


『そういう事ですね』


 信じられないという表情をする秘書さんを見ながら驚くのは当然だろうなと思った、マイクロン側が有利過ぎる契約なのだ


『現在日本の商社が世界中で下品な買い付けをおこなっています、御社に不安があるのは当然です、ですが今回の御社との提携はそういう物とは全くの別のお話、双方が納得しあった上でwinーwinな物としたいのです』


 しばらくの沈黙の後、マイクロン側でしばし話し合いが持たれる、数分後


『Mrs.ミワコ、一度社に持ち帰り向こうで再度会議にかけたいと思うが、個人的には是非提携をお願いしたいと思う』


『ありがとうございます!』


 よし上手くいった、内心でガッツポーズをする


『……実は現在、我が社ではとある問題が持ち上がっていてね』


『オレンジ社との裁判の件ですね、存じております』


『やはりご存知でしたか、先程は強気で交渉してお断りしてたが、実際この提携話は渡りに船だったのですよ』


『はい、その話もあってこちらでも交渉出来るのではと思っていましたので』


『HAHAHAHA、正直ですな実に結構どうですか、これからディナーでもご一緒にいかがですかな?』


『はい、此方こそよろしければ』


『うむ、是非によろしくお願いします、そこのボーイとはカーネルの件の話もしないといけないですしね!』


 やべ〜、やっぱり見逃してくれないか〜

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