第五十四話 沖縄決戦②

 騒ぎの中、合図と共に俺が裏口の配電盤のブレーカーを落とし店内を暗闇にすると同時に皆が動き出した


 決戦前にブレーカーを落とし暗闇にする作戦を練っていたのだ、俺が手が空くと言う事で場所を把握して剛田さんにサインを送っておいた


『?! 何が起こった!』


『電気が切れたぞ、何ごぁ……』


『ウェインの奴がや……』


 店内の様子は暗くて殆ど見えないが、片目を暗闇に慣らしていたうちの連中にどんどん敵が駆逐されているようだ、打撃音のような音が聞こえる度に敵側の会話がなくなっていく


 1分も経たないうちに店は静かになっていき、店の人が気づいてブレーカーを戻し明かりが戻った時には、敵のボスのジェフ1人となっていた


『やあジェフ、コレで話がしやすくなったな!』


 物凄い笑顔でジェフに語り掛ける剛田さんに、ジェフが凄い脂汗を流しながらも威嚇する様に語り出す


『いい気になるなよ、これで勝ったつもりか? 仲間はまだ居るんだ、またいずれやり返すぜ!』


『なんだ、まだやるつもりだったんだ? 仕方ないな〜』


 剛田さんが目の前に倒れた相手の肩を踏み潰す


『ギャアーー!!』


 近くにいたジジイも容赦なく一人一人足や手を踏み折って行く、健太と早苗は流石に顰めっ面で様子を伺っているようだ


 その様子をジェフは青い顔で見ていたが、徐ろに懐から拳銃を取り出し剛田さんに銃口を向けようとするも


『ウギャ〜〜!』


 その手にはフォークが突き刺さっていた


「儲けたの〜、いい沖縄土産が出来たわ!」


 爺さんが子供のような笑顔で拳銃を懐にしまって行く


『なあジェフ、面倒だがいつ来ても返り討ちにする準備はできてるんだ、再戦する気ならいつでも受けるぞ、景気付けだお前の四肢は全部折って行く事にするよ』


 そう言った剛田さんは容赦なくジェフの左腕を蹴り折る


『ギャーー!』


 次に右腕もへし折ろうとした時


『待ってくれ、二度とお前らに手出しはしない降参するから助けて〜』


 その目に本物の怯えを感じ取ったジジイと剛田さんはお互い頷き合う、どうやらこの辺で手仕舞うらしい


 剛田さんがジェフと話し合ってる間に俺達は倒れた連中を一纏めにし、懐から財布を抜き出し、身分証明や現金とか凶器とかを集める


「おお、もう2丁、拳銃があったぞ、いい土産じゃわい」


「師匠、勘弁して下さいよ、これじゃあ強盗です犯罪ですよ」


 健太と早苗が説得するも


「何、向こうも後ろ暗い所があるんじゃ表沙汰には出来んよ、奴等に使わせとくのも不味いじゃろ、有効活用せんとの」


 そう理論武装した爺さんは、身分証明書は剛田さんに託し残りを全部風呂敷包みにする


 こうやって沖縄での2日目の夜が終わった

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