第一章 投資の王に俺はなる!

第1話 俺は何処? ここは誰? (絶賛混乱中)

2023年某月某日

 

 クソ暑い日差しの中、営業の為およそ数十年ぶりに旧地元だったA県C市K町に戻ってきた俺は、タクシーを捕まえる事が出来ずにいた


「この時間帯で全然タクシー捕まえられないってマジっすか!?」


 しょうがないなと運動がてら徒歩にて営業先まで移動する事にしたのだが


「ぜ〜は〜、ぜ〜は〜、こ、ここんとこ全く運動してないせいか、な、なだらかな坂道登るだけでこれかよ」


 ここ数年の不規則な生活、運動のようなものを殆どせず、仕事以外では自宅警備員の真似事のような生活を続けてきた結果、体力は落ちまくっていたのだ


 なだらかな坂道が続く旧街道にあった古いトンネルの中、荒い息を吐きながらもえっちらおっちらと歩いて行く

体力の低下の影響は如何ともしがたく、随分と体も鈍ったものだと感じる


 歩きながらこの先にある営業先の小さな工務店で働く旧友の事を思い出しながら呟く


「健太の奴に会うのも15年振りか、娘のさやかちゃんも、もうお母さんなんだもんな、そりゃ俺も年をとったはずだわ」


 ようやくトンネルの出口も見え、出口に向け抜けようとした矢先


「ふらふら運転してあぶね〜な、酔ってるのか?」


と思ってた対向車のトラックが、突然急ハンドルで俺に向かって来たのだ


「嘘だろ、おい!」


避けようと思う間もなく突然俺の意識は真っ暗になった


 数分後? 意識が戻った俺は何故か自転車に乗った状態で、トンネルの出口にある地元民がカエル石という岩の前で佇んでいた。


「いやさっきのトラックは何処よ、何故俺無傷? 夢でも見てたんか? ていうかなんで俺自転車乗ってるのよ?」


軽いパニック状態に陥りながらも、自らの状況を確かめるように声に出して呟いたのだが


 その時に出た声が、少年の声になっていた事に気付くのに更に数分の時間が必要だった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る