生存競争

生存競争

絶海の孤島、シャンリリーアイランド。

ここに住んでいる鳥達は、

血の気が多く、乱暴なことで有名だった。

毎年春になると、メスを巡って、

どちらかが生き絶えるまで、

戦いを繰り広げるのだ。

激しい生存競争。

しかし、個体数がどんどん減っていく。

流石に、これでは種が存続しない。

進化というべきなのか、

戦いをやめて、歌うことで

決着をつけるようになった。

けれども、これが良くなかったのか、

かつて、あれほど元気に動き回っていた、

この鳥達は、ほとんどが活気がなくなり、

全く動かず、おとなしくなり

日中ぼんやりとして生きるようになった。

これを見た研究者は一言。

「無理もない。

　戦うのなら、

　体格を見れば、相手の実力が分かり、

　無茶な対戦は避けるというもの。

　だが、歌となれば、そうはいかない。

　無謀な戦いを仕掛けた

　個体がいっぱいいたのだろう。

　かわいそうに…」

たっぷり落ち込んだ後、

鳥達は練習に励む。

もともと負けん気は強い性格の鳥達。

個体数も増え、

数年後、世界一うるさい島になったそうだ。