第3話 ある日記「守備力」
RPG(ロールプレイングゲーム)をそれ程多くやった訳ではないが、大抵のRPGには防御力だとか耐久性だとか、それに類するステータスが存在する、と思う。このステータスはどちらかというと軽視されがちなイメージがある。幾ら防御力を上げたところで、攻撃力がなければ話は始まらないし、所謂攻撃は最大の防御という訳だ。HPや回避を優先して強化すれば、実質やられにくくなって防御力強化と同じ、なんてこともある。
ここで少し想像力を働かせて、まず自分が実際にRPGのキャラクターになったとする。中途半端にリアルを持ち込んでみる。ここでさあどのステータスを優先しますかとなった時に、あなたは何を選ぶだろうか。僕の想像だと、6割くらいの人は防御力を優先したがるのではないかと思っている。痛いのは誰だって嫌だろうし、死ぬのはもっと嫌だろう。要するに、安全に冒険を進めたいという気持ちが出てくるんじゃないかという予想です。回避や攻撃力では、死ぬかもしれないという不安から逃れることは難しい。HPではとりあえず死ぬ可能性が低くなるかもしれないけれど、毎回毎回激痛を体験する羽目になりそう。僕なら話の中盤くらいで逃げ出します。
ここまではゲームの話ですが、現実でもできるだけダメージ(ここからは精神的なものに限定)を受けたくないというのは、素朴で当たり前な欲求です。しかし我々はゲームのように簡単には成長できませんし、防御力がなければ日常の全ては暴力です。ではどうすれば良いのか。思うに手段は3つあって、自分を強くするか、敵を潰せる力を持つか、そもそも敵を作らないか、それ以外の方法です。こういう苦痛への対処法は十人十色と言ってもいいくらいなのでそれ以外の部分が重要なのですが、とりあえず順番に解説をして行きたいと思います。
・自分を強くする、防御力をあげる
そう簡単に変われたら苦労しないと思いますが、開き直ることが重要な気がします。社会にはあらゆる攻撃が待っているかもしれませんが、価値順列の操作をしっかりしておけば多少は防御力が上がります。
・敵より強くなる
要は敵に攻撃をしようという意思を持たれないことです。有効な立場や所属をゲットすることで敵より偉くなったり、敵の嫌がる反応を探り当ててしまうことです。所詮あいつの攻撃だし、気にならないという所まで行けると良いです。
・敵を作らない
完璧にこなせれば最高の方法です。労力は、センスがないと沢山必要だから人を選ぶ方法だと思います。ただこれはこれで不安の多そうな話なので、その辺もコントロール出来そうな人にオススメ。
・その他
他にも色々な方法があります。好きなことをしてダメージの回復を待ったり、そもそもダメージをダメージと受け取らなかったり。身内によるダメージならそれなりに苦労するでしょうが、他人の不快は見なかったことにするのも良いです。いちいち気に食わない他人にリソースを割く必要はないです。その分仲間にリソースを裂きましょう。各位良い方法を編み出しましょう。そして横隔膜をストレッチしましょう。
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