週末の記憶違いは生きる理由に

芥坂 月歩

はしがき

生きる意味を見出すにも、それ一点しか見れない自分にとっては難解だった。幼い頃から、体が弱かった僕は、学校にも馴染めず、勉強もさっぱり分からずで大変苦労した。家族で熱海へ旅行をした時、僕は、熱を出した。家族は心配こそしていたが、やはり僕をお荷物として扱った。それだけで窮屈に感じ、消えてしまいたくなる。ずっと生きる理由を探しているのは、自分に対する防衛に近いのかもしれない。幼少期から、人とは違うと自覚していた。人に笑われる事も多かった。最初こそ、それが凄く不快に感じていたが、時間が経つに連れて、何も思わなくなり、その後には、むしろ、嬉しいと感じるようになっていた。人に認められたことがなかった僕だ。笑われる事で、認められた気になっていたのだろう。しかし、そこにはいつまでも疑問が付き纏って、それが僕を聊か、ヒリヒリさせていた。そんな僕の話を君等に少しだけ話したいと思う。

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