Chapter 1-7 自分たちで獲ってきたものを食べましょう

 頑張った。

 頑張って、頑張って頑張って頑張って。


「なんとか……今日のご飯確保よーう!」


 ドラの宣言に歓声が上がる。

 狩りに狩った食材を手に、きらめたちは両腕を振り上げて喜びを分かち合った。


 あれから。全力で狩りをしたきらめたちは、その友情を更に深めたのである。

 うりぼうを確保したところで足りなかったのだから、決して逃がしたせいではないのだ。うん。


「さー、休んでる暇はないのよーう! お料理の時間よーう!」

「ドラは元気なんだなー」


 コテージに戻ってきたきらめたちだが、行きつく間もなくドラがキッチンへ消えていく。

 それに付いていく様子すらなく、ノンはどてっと床に転がる。


「ノンー。お行儀悪いんだしー」

「つーかーれーたーんだなー」

「今日はしんどかったし、ディーも休んどくっしょ。きらめはどうするっしょ?」

「あ、僕も行くよ」


 幸い、きらめは神様からもらった身体のおかげで、体力は無尽蔵だ。疲れとは無縁なのである。

 ルフェとともにキッチンへ向かおうとしたとき、きらめはふと、背後で何かが弾けるような音がした気がして、振り返った。


「どうかしたっしょ?」

「今、なにかバチッて音がしなかった?」

「え? 特になんにもしてないっしょ」


 気のせいか。と、小首を傾げるに留め、きらめとルフェはキッチンに入った。


「おっ塩っとおっ砂糖いっれるのよーう♪」

「楽しそうだね」

「ひゃわわわううぅっ!?」

「わ!? だ、大丈夫!?」


 鼻歌交じりに料理をしていたドラに声をかけると、ドラは料理を全部ひっくり返してしまいそうな勢いで驚いてしまった。


「……い」

「い?」


 動きを止めたドラは、うつむきながらぼそっと声を出す。


「……い、今の、聞いてたのよーう……?」

「歌のこと?」

「ま、歌は気にするなっしょ」


 クールに言い切って料理を手伝い始めるルフェに、きらめは、


「いい歌だったと思うけどなぁ」


 ポツリとこぼした。

 そしてドラが、爆ぜるように顔を真っ赤にしてしまった。


「え、ど、ドラー!?」

「だから気にするなって言ったっしょ」


 その後、なんとか立ち直ったドラとともに料理を終わらせ、夕食の時間になった。

 自分たちで獲ったものだといつも以上に美味しいと、きらめは感動しつつ、一日が終わろうとしていた。


 最後にベッドに横になったきらめは、今日出会ったうりぼうのことを思い返しながら、眠りに就いた。

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