人馬一体

JUGULARRHAGE

ドゥラエレーデの思い出1 血統、馬体、戦績を追って

 ドゥラエレーデ(Dura Erede)

 意味:父名一部+最高の後継者(伊)


  まずはやはり競馬といえば血統です。競馬があって血統があるのではありません、血統があって競馬があるのです。異論は認めます。

 そういうわけで、ドゥラエレーデの血統は、


 父ドゥラメンテ

 母マルケッサ

 母父オルフェーヴル


 クロス

 サンデーサイレンス 18.75% 3×3

 Halo 12.50% 4×5×4

 ノーザンテースト 6.25% 5×5


 となっています。

 父ドゥラメンテ、母父オルフェーヴル、濃いサンデークロスに薄く広いHaloクロスのエッセンスが加わり、気性に対する不安しかない血統となっております。ゲートに噛みつき、騎手を振り落とす荒々しい暴君の姿が浮かんでくるでしょう。

 冗談はこの程度にして真面目な話をしますと、絵に描いたような良血です。

 父ドゥラメンテと母父オルフェーヴルは言わずもがな。母母はサトノダイヤモンドの母親となっております。

 どこをとっても名馬に繋がる素晴らしい血統です。

 血統から思い描かれるイメージとしてキレるイメージとパワー系の2つが挙げられるでしょう。


 馬体は基本的に父ドゥラメンテに近い印象ですが、腹袋がしっかりとして図太い見た目をしています。筋肉量も豊富でパワーのありそうな中距離馬、そんな印象を受けます。

 細部を見ていきますと、体の長さはそこそこで中距離がちょうどという具合、背と腹は同じ位、首差しは太く、ボリュームのある肩、繋は立ち気味、トモは幅があり分厚い、飛節は真っ直ぐ。

 キレるというよりもパワー系、スタミナ系の趣が強い馬体です。

 初めて見たときはどことなくサトノダイヤモンドの雰囲気を感じました。腹袋や肩周りにそう感じたのでしょう。

 ドゥラメンテ産駒タイトルホルダーは母の血が強くが出ていると言われますが、父父キングカメハメハ同様、ドゥラメンテは母の影響が出やすい印象です。

 オルフェーヴル要素は知りません。多分、根性強さとかパワーでしょう。特に前者。


 この馬はPOGカタログにのった欧州型の様な図太さと骨量を持った馬体写真に惚れ込み、雄々しい血統表に尚のこと心惹かれて以降追って今に至っています。

 血統が血統だったのでやばい馬がいるとデビュー前から話題になっていたのを覚えています。馬名も父親である名馬ドゥラメンテに最高の後継者という意味で、期待を膨らませた人も多かったのではないでしょうか。

 中には何故か、馬名を名古屋弁で「どぅら偉えで」と思っている人達もいました。馬主スリーエイチレーシングの母体、株式会社HGホールディングスは東京にあります、馬名で遊んでたら怒られるぞ。

 そして、ある調教動画によりドゥラエレーデは一躍注目の的となります。アイコンテーラーの調教動画です。内容は、併せ馬で追っているアイコンテーラと僚馬をすっと追い抜いて行くというものです。

 重賞勝ち馬アイコンテーラーをいともたやすく抜き去った。そういう話が広まり、怪物がいるとかなんとか騒がれました。

 この調教動画は併せ馬の終盤のみ映ったもので、いつどのタイミングでドゥラエレーデが調教を開始したかはわかりません。アイコンテーラーが走り終える頃にドゥラエレーデが走り始めたので、余裕綽々で追い抜いているように見えたのだと私は考えています。


 注目のデビュー戦は鞍上北村友一騎手を迎えての阪神芝1800mで、一番人気に支持されました。このレースは後に活躍する馬が多いので今思えば伝説の新馬戦的な一戦でした。

 結局は5着。3番手追走から伸びずに新馬勝利とはなりませんでした。ですが、ドゥラメンテ産駒は晩成型、オルフェーヴルも晩成型、500kg超えの大型馬というのもあり、ファン達はあまり気にせず次戦に目を向けていました。中には気性がやばくなかったのを見て安堵しているファンもいたと思います。

 ですが、調教動画から来た人達の一部は結構酷かったです。調教動画を勝手に解釈して勝手に持ち上げ、新馬結果を見るやいなや駄馬だの何だの言っていたのは覚えています。

 なので、ドゥラエレーデが活躍するたびに挙げられる例の調教動画に私はあまりいい思い出はありません。

 ついでにクロノジェネシスとのコンビで一斉を風靡し、これからもっとというタイミングで落馬負傷した北村友一騎手の復帰後間もないレースで、騎手も馬同様散々言われたりしました。

 恨み節が止まらなくなるのでやめます。


 鞍上に横山和生騎手を迎えてのニ戦目札幌芝1800mは、最内から逃げてペースを作りますが、差されて2着という惜しい結果となりました。ですが、三着以下には大差をつけて二頭が抜けた戦いを演じました。

 この時の一着は後にオークス3着、秋華賞4着の結果を残す同じドゥラメンテ産駒ドゥーラでした。つまり、ドゥのワン・ツーで両馬のファンがドゥドゥ言って盛り上がってました。

 三着はイッツオンリーユーという馬でドゥは一切関係ありません。ちなみにめちゃくちゃ美人です。この馬の母にハーツクライつけたら多分全員美形です。

 今思えばニ戦目は相手が悪すぎました。


 3戦目はダート替わり、札幌1700mに鞍上池添謙一騎手で出走。ここでは内の馬がハナをきった為、二番手追走からコーナーで交わして勝利を収めました。

 骨量の多い大型馬で血統もパワー系だったため、ダート替わりは歓迎されて無事に勝ち上がったのでファン達は一安心という様相でした。


 勝ち上がりに時間を要してはいますが、レースを見ると強い相手には一歩及ばない時もありますが、粘り強い先行力で着順程負けてはいませんでした。

 この頃になると新馬戦で騒いでいた人達もいなくなり、ファン達が温かい眼差しと声援を送っていました。同時に毎回騎手が変わるとネタにし始めつつあったかと思います。

 この頃はコツコツ勝利や掲示板内を積み重ね、息の長い馬主孝行な馬になるのかもしれないなと頭の片隅で思ってました。名前がドゥラエレーデじゃなかったらたぶん、そういう馬だと思いこんでました。

 4戦目以降は長くなるので次回分として分けます。

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