時を超えた世界の先に

@sakugiriyukine

第1話



  お前なんて、嫌いだ。



「何これ……」

 署名されていない手紙を見て、誰が私に送ったのかが気になり、封筒の裏を見る。

 すると私の顔がどんどんと青ざめていくのを感じた。

 それは来るはずのない、私の幼馴染の計留からの手紙だったからだ。


 越境計留、彼は二年ほど前に交通事故でこの世を去った人である。


 なぜこの手紙が届いたのかという疑問や驚きよりも、私は恐怖を感じている。

 これは、あの日に彼が見た夢の話と全く同じ状況になっていた。

 そのことを思い出してしまい、更に恐怖が増してきた。

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