第5話
「王妃様……依頼の報酬は覚えてますわよね?」
「……ええ……もちろんよ」
「それではいただきましょうか……王妃様を」
わたくしは普通の令嬢と好みが少々異なるようだ。
最初に手を出したのは、わたくしの専属侍女を務めていた女性。
わたくしにとってはお姉さんに近かったと思う。
何時から意識していたかはよく覚えていない。気付いたらそういう目で見ていた。
ある日の湯浴みの時だった。
「ねえ。あなたも一緒に入らない?」
侍女は最初は断っていた。でも私からのお願いだからと服を脱いで一緒に湯浴みをすることに。
その時に侍女の肢体に今までにない胸の昂りを感じたと同時に、そのまま侍女の襲い掛かってしまった。
丁度夜伽をするための魔法をいろいろ覚え始めていたわたくしは、それらを駆使してまで。
侍女はその翌日にはお暇を貰って屋敷を後にしたとお父様から聞いた。
その日からその手の教育が新しく加わることになった。
どうやらわたくしは、年上の女性が好きらしい。
特に年齢を重ねてより熟れた身体をした女性が特に好みだった。
社交界にデビューしたわたくしは、様々な女性の方と一夜の逢瀬を繰り返した。
勿論嫌がる女性に対しては手を出さなかった。
主に、未亡人となった方や夫婦の関係が冷え切った方と夜を共にすることが多かった。
そんなわたくしでも手が出せないお方がいた。
それこそが王妃様。
王妃様はまさにわたくしの好みにピッタリ当てはまっており、出来ることならその身体を味わいたかった。
でも流石に王族に手を出しては不敬に問われてしまう。
「王家から、レオン王太子殿下とサラとの婚約の話を持ち掛けられている」
お父様から婚約の話を持ち掛けられたのはそんな時だった。
最初は私もお父様も断ろうとしていた。
王太子殿下の駄目さ加減はこの時すでに貴族の間では話に上がっていたから。
そんな私たちの動きを知ってか知らずか、王妃様が公爵家までいらっしゃった。
「レオン王子を失脚させるために、今回の婚約を受け入れてほしいの」
王妃様が話された計画を聞いたお父様は難色を示した。
王妃様のご実家の公爵家とエヴァンス公爵家は敵対派閥にあたるから。
「お父様。このお話お受けいたしますわ」
わたくしはこれ幸いと王妃様の計画に乗ることにした。
計画を成功させた報酬で王妃様を手に入れればいい。
「王妃様。計画が成功した暁には、王妃様をわたくしにくださいませんか」
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